Daniel Stein/istock.com

ブレトンウッズを設計したアメリカ人
―― デクスター・ホワイトはソビエトのスパイだった

ベン・ステイル
米外交問題評議会シニア・フェロー
(国際経済担当)

Red White

Benn Steil 米外交問題評議会シニア・フェロー(国際経済担当)。このエッセーは、最近の著著、『ブレトンウッズの闘い、ジョン・メイナード・ケインズ、ハリー・デクスター・ホワイトと新世界秩序の創造』からの抜粋。

2013年5月号掲載論文

イギリスのジョン・メイナード・ケインズとともに、ブレトンウッズ体制の設計に取り組んだのは、当時、まだ無名に近かった米財務官僚のハリー・デクスター・ホワイト。だが、戦後の資本主義金融構造を設計した彼にはもう一つの顔があった。1930年代半ば以降、11年間にわたって、ホワイトはソビエトのスパイとして活動していた。ソビエト側に秘密情報を提供し、アメリカのルーズベルト政権とどのように交渉すべきかをアドバイスし、モスクワに有利な戦後処理をワシントンで唱道した。おそらくソビエトにとって、ホワイトは、国務省内にいたソビエトスパイとして冷戦期に告発されたアルジャー・ヒス以上に重要な情報源だった。しかしなぜ、1944年までには、アメリカの外交と経済政策に広範な影響力をもつようになっていた戦後経済体制の設計者は、ソビエトの経済体制に魅了されていたのか。・・・

  • ケインズとホワイト
  • 「赤いスパイ」としてのホワイト
  • なぜソビエトに魅了されたか
  • なぜホワイトはIMF専務理事になれなかったか
  • 公聴会での証言
  • ベノナ暗号解読プロジェクト
  • 葬り去られたホワイトのビジョン

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