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岐路にさしかかった日本の外交・安保政策
―― 変化した国際環境で問われる日米同盟の価値

ジェラルド・L・カーチス
コロンビア大学教授

Japan’s Cautious Hawk

Gerald L. Curtis コロンビア大学教授(政治学)。専門は日本政治。日本の政治家(佐藤文生)の立候補から初当選までをともに生活した体験を博士論文としてまとめ、これが後に『代議士の誕生』(サイマル出版会)として出版された。最近の著作に『政治と秋刀魚』(日経BP社)がある。

2013年3月号掲載論文

日本は、外部の国際環境を所与のものとみなすことで、日本人が「時流」とよぶ国際的な流れに乗るために、現実的な調整を試みてきた歴史を持っている。そしていまや、中国の台頭、北朝鮮の核開発、アメリカの経済的苦境という国際環境の変化を前に、「東アジアにおけるアメリカの軍事的優位はどの程度続くのか」という疑問を抱いた日本人は、これまでの計算を見直しつつある。米中が対立しても、それによって必ずしも日米関係が強化されるわけではなく、現実には、自立的な安全保障政策を求める声が日本国内で高まるはずだ。鍵を握るのはアメリカがどのような行動をみせるかだ。日本の防衛に対するアメリカのコミットメントは信頼できると日本人が確信すれば、東京の外交政策が現在のトラックから大きく外れていくことはない。だが、アメリカの決意を疑いだせば、日本人は独自路線を描く大きな誘惑に駆られるかもしれない。

  • アメリカのコミットメントを信頼できるか
  • 吉田ドクトリンと平和主義
  • 日米同盟を試す尖閣問題
  • エンゲージメントの条件
  • 現実主義の視点を

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