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中国と日本の相互認識
―― 歴史的遺産とイデオロギー的遺産の呪縛
(1972年発表)

チャーマーズ・ジョンソン
日本政策研究所・所長(論文発表当時)

How China and Japan See Each Other

Chalmers Johnson 通産省の研究で知られる日本・アジア問題の専門家で、カリフォルニア大学教授を経て、日本政策研究所の所長などを務めた。2010年に死去。代表的著作に『通産省と日本の奇跡』がある。

2012年11月号掲載論文

1885年以降、数多くの中国人が近代世界を学ぼうと、日本に留学してきた。しかし、その後日本が帝国主義国家として台頭していくと、中国人が日本の近代化に抱いた憧憬は、嫌悪感へと変化していく。中国人から見れば、日本はもはやアジアではなかった。日本は、紛れもなく帝国主義国家そのものだった。そして、日中戦争が、より一層の敵意と憎悪を生み出し、それが現在の対日観に影響を与え続けている。だが、戦争の影響を、日本軍の残虐性という観点だけでとらえるのは誤りだろう。戦争は両国の知的・イデオロギー的な枠組みに大きな影響を与えている。日本が封建制から資本主義、帝国主義へと突き進むプロセスが、中国のナショナリストたちのマルクス・レーニン主義イデオロギーへの確信をより深めることになったからだ。

  • 日中の特別の絆ゆえの確執
  • 近代化に対する日中の異なる対応
  • 日中の奇妙な距離感
  • 日本の帝国主義と中国のマルキストイデオロギー
  • 日中関係と日本政治
  • 米中接近と日中関係
  • 台湾問題と日本の安全保障

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