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ムハンマド侮辱動画が 誘発した世界的騒乱
――怒りを煽ったエジプト政府の真意は

ジュッテ・クラウセン ブランダイス大学教授で専門は比較政治学、著作に『世界を揺るがした風刺画』がある。

Egypt Fans the Flames

2012年10月号掲載論文

ムハンマドを侮辱する動画がユーチューブで公開され、世界各地でイスラム教徒の抗議行動が起きている。今回の事件は、2005年にデンマークの新聞ユランズ・ポステンに預言者ムハンマドの風刺画12枚が掲載されたことをきっかけに、世界的な抗議運動へとつながっていった事件のリプレイのようにもみえる。今回の動画同様に、ムハンマドの風刺画も掲載された当時はほとんど注目されず、問題とみなされることもなかった。だが、当時のエジプト政府(ムバラク政権)が「デンマークでムハンマドを冒涜する行為が行われた」と発表すると、イスラム世界の多くの人がこの問題に関心を示すようになった。今回も同じパターンの動きがみられる。現在のエジプト政府を率いているムスリム同胞団の指導者も、仇敵であるムバラク同様に「本当の問題から目を背けさせる政治」戦術をとっている。

  • ムハンマド侮辱動画騒動の奇妙な展開
  • ムハンマド風刺画事件
  • モルシが持ち出したムバラクのルールブック

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