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変ぼうしたロシア社会と「ロシアの春」?
―― 都市と地方の不満が一体化すれば

ミハイル・ドミトリエフ 戦略研究所(モスクワ)所長 / ダニエル・トレーズマン カリフォルニア大学 ロサンゼルス校(UCLA)教授(政治学)

The Other Russia ―― Discontent Grows in the Hinterlands

Mikhail Dmitriev 戦略研究所(モスクワ)所長。ロシア経済開発貿易相第1次官(2000―04年)、労働社会開発省第一次官(1997―98年)、連邦議員(1990―93年)を歴任。
Daniel Treisman カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)教授(政治学)。著書に『回帰――ゴルバチョフからメドベージェフにいたるロシアの旅』。

2012年10月号掲載論文

ロシア政治の未来にとって最大の試金石は、デモを展開している政治意識の高い都市部の「少数派」が、モスクワとサンクトペテルブルグ以外に住む「サイレントマジョリティ」の共感をどの程度得られるかにある。たしかに、地方で生活するロシア人は、騒がしい街頭デモや抽象的なスローガンには関心がない。だが、彼らも「現在の政治システムは絶望的に腐敗しており、基本的な行政サービスさえ提供できない」と考えている。地方でもプーチンを支持する声は小さくなる一方で、今度大きな経済危機が起きれば、彼らも大規模な抗議行動に参加するかもしれない。ロシア全土でデモが起きるようになれば、企業やメディア、それに法執行当局でさえも、クレムリンから距離を置くようになり、自分たちが生き残るには、政治の変革が必要だと判断するだろう。ロシアの民主活動家の課題は、都市部と地方の二つの不満、つまり、変化への希求をひとつにまとめあげることだ。もちろん、クレムリンは、それを阻止することが最重要課題であることを理解している。

  • ロシアの「サイレントマジョリティ」とは
  • 指導者と政治の質
  • 政治意識の変化
  • 近代化と社会の変化
  • 失敗したプーチンの巻き返し策
  • ロシアの春の可能性

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