Marian Weyo / Shutterstock.com

それでもユーロは存続する
―― 欧州版IMFとしての欧州中央銀行のポテンシャル

C・フレッド・バーグステン  ピーターソン国際経済研究所所長

Why the Euro Will Survive ―― Completing the Continent's Half-Built House

C. Fred Bergsten ピーターソン国際経済研究所所長。1977―81年に米財務省国際問題担当次官補。1969―71年も米国家安全保障会議国際経済問題担当補佐官を務めた。

2012年10月号掲載論文

ユーロ危機が再燃するたびに、専門家の多くがユーロの崩壊を口にする。だが、そうした予測は、不備のある制度を再構築しようと試みているECB(欧州中央銀行)の駆け引きが成功していることを見過ごしている。すでに、ECB、ドイツ、フランスを含むすべての主要プレイヤーは、共通通貨の崩壊がもたらす壊滅的なコストを認識し、これを阻止しようと試みている。最大の問題は、ユーロが財政同盟、銀行同盟など通貨同盟を支える制度やメカニズムをもっていなかったことだが、この欠陥も危機対応プロセスのなかで次第に是正されつつある。ECBは、ユーロ危機を収束させること以上に、各国の指導者たちに、ユーロ圏の制度を抜本的に改革し、各国の経済を構造的に再構築するように促している。ギリシャがユーロから離脱するとしても、いずれヨーロッパは現在の混乱から抜け出し、より明るい見通しをもって、未完のプロジェクトの実現に向けて歩み出すことになるだろう。

  • 危機は誇張されている
  • ユーロ解体か、新経済同盟か
  • 制度設計ミスが作り出した構造的危機
  • 制度改革を模索するECB
  • 制度改革への合意は実現するか
  • 再生への処方箋

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2012 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top