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南シナ海対立の新構図と紛争の危機
――中国の影響力拡大とASEANの内部対立

ジョシュア・クランジック
米外交問題評議会東南アジア担当フェロー

South China Sea: From Bad to Worse

2012年9月号掲載論文

南シナ海の島嶼群の領有権を主張する中国と東南アジア諸国は、誰も住んでいない岩の塊を新しい州や県あるいは市として自国の法管轄に組み入れ始めている。すでに中国は、西沙諸島や南沙諸島を含む海域を三沙市として行政管轄に組み入れ、行政を担当する役人まで任命している。その後中国は、実効支配の確立を意識してか、海域の石油と天然ガス資源に対する主権を主張するようになり、自分たちの意思をアピールするために「漁船」を係争海域へと送り込むようになった。・・・ 7月のASEAN外相会議の決裂以降、現実に南シナ海で紛争が起こりかねない状況にある。専門家は、中国が公的に新しい領土とした三沙市をめぐって今後、どのような動きをみせるかに注目している。・・・一方、ASEAN加盟国の一部が中国に急接近しつつあるために、フィリピン、ベトナム、ブルネイは、カンボジア、ラオス、そしてタイまでもが中国に取り込まれてしまうのではないかと懸念している。・・・

  • 対中路線をめぐるASEANの内部分裂
  • なぜ中国は強硬路線に転じたか
  • 対立の激化と紛争の危機
  • ASEANの内部対立
  • 紛争を回避するには

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