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Foreign Affairs Update
世界はドイツの決断を待っている
――1930年代の教訓

マーク・ブリス ブラウン大学教授
マティアス・マタイス ジョンズ・ホプキンス大学准教授

The World Waits For Germany

Mark Blyth ブラウン大学教授(国際政治経済学) 同大学付属ワトソン研究所ファカルティフェロー。専門は、理念をめぐる政治、政治体制など。
Matthias Matthijs アメリカン大学准教授。専門は国際政治経済学。経済危機のなかの政治、経済政策決定における経済思想の役割を研究テーマにしている。

2012年7月号掲載論文

「ヨーロッパ」の寿命をあと3カ月とみているのはジョージ・ソロスだけではない。市場も同じ見方をしている。そして、ドイツの政策決定者の脳裏にあるのは、債務を抱え込んだゾンビがますますおぞましい姿で復活してくる悪夢のシナリオだ。・・・依然としてドイツの銀行のスペイン債務へのエキスポージャーは大きく、スペインで銀行破綻が広がればドイツの銀行も道連れになる。こうして、ドイツはこれまでの路線を少しばかり見直しつつある。だが、危機の結末を変化させるほど十分な変化ではない。ドイツは依然として反インフレ路線にこだわり、リーダーシップを引き受けるのを嫌がっている。1929年の恐慌が大きな広がりをみせたのは、イギリスには国際経済システムを安定化させる能力がなく、アメリカにはその責任を引き受ける意図がなかったからだ。このままでは1930年代の間違いを繰り返し、ECBがかつてのイギリスの役割を、ドイツがアメリカの役回りを演じることになりかねない。

  • ドイツは立場を見直し始めたか?
  • 現状をキンドルバーガーの基準に照らすと
  • スペインの悪夢と銀行危機
  • ドイツは経済覇権国のリーダーシップを 発揮できるか

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