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グローバル・リセッションの本当の教訓  

ラグラム・ラジャン
シカゴ大学教授

The True Lessons of the Recession

Raghuram Rajan 国際通貨基金のチーフ・エコノミスト、世界銀行顧問を経て、現在はシカゴ大学ビジネススクール教授。専門は金融。著書に『フォールト・ラインズ』などがある。

2012年6月号掲載論文

2008年に金融危機が起きるまでの数十年にわたって、先進国経済は「有益な何か」に投資して経済を成長させる能力を失いつつあった。これは、技術革新や外国との競争によって失われた雇用を「資金を生み出す何か」に置き換えて、高齢者に年金や医療ケアを提供する必要があったことに関係がある。こうして何とか経済を成長させようとした政府は限界を超えて支出を増やし、一方では家計支出を刺激しようと安易な融資に道を開く環境を作り上げた。こうして、借入金に依存した経済成長が実現したが、もちろん、これは持続可能な成長ではなかった。現状で、さらに多くを借り入れて、政府支出を増やすことで危機から脱出することなどできない。むしろ、最善の短期的政策とは長期的な持続的成長の実現に焦点を合わせることだ。だが、結局のところ、各国の政府と市民が危機に関するどのような解釈を受け入れるかで、国の将来、そしてグローバル経済の未来も左右される。

  • ケインズ的政策の限界
  • 簡単な経済成長の時代の終わり
  • 規制緩和と能力主義、そして所得格差の拡大へ
  • 二極化する所得と雇用
  • 政治家の反応
  • 何ができるか

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