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CFR Interview
だが、いかなる成長路線なのか
―― 緊縮財政路線と成長路線

トーマス・フィリポン ニューヨーク大学ビジネススクール准教授(金融)

The Eurozone's Austerity-Growth Debate

聞き手は、クリストファー・アレッシ(cfr.orgのアソシエート・スタッフライター)

2012年6月号掲載論文

重要なのは、欧州中央銀行(ECB)マリオ・ドラギ総裁が「新財政協定の内容を見直す必要はないが、アジェンダに経済成長という視点も加えるべきだ」と述べていることだ。ECBは、ヨーロッパの経済成長を実現するには、特に南ヨーロッパ諸国の労働市場の柔軟性を高める必要があると考えている。・・・一方、オランドは量的緩和を実施したいと考えている。ここからは交渉になるだろう。ユーロ圏のメンバー国が「受け入れ可能なものが何で、何を諦めてもいいと考えているか」をすり合わせていく必要がある。ドイツはある程度のインフレ(インフレターゲット)なら受け入れることはできると考えている。・・・ドイツがこの方向での議論に応じた場合には、フランスに労働市場の改革を強く求めるはずだ。・・・論点と重心が成長策へとシフトしていくのは避けられない。だが、何について合意できるだろうか。望ましい成長路線が何であるかについてヨーロッパが合意できる状況にはない。

  • ユーロ危機の特異性
  • 成長に向けた政策力点の変化
  • スペイン危機の構図

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