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インドの果たされなかった約束
―― 成長の一方で拡大する格差

バシャラート・ピア
ジャーナリスト

India's Broken Promise
―― How a Would-Be Great Power Hobbles Itself

Basharat Peer インド・カシミール出身のジャーナリスト。領土問題に揺れるカシミール地方の暮らしを記録した『外出禁止令の夜(Curfewed Night)』がベストセラーになった。

2012年6月号掲載論文

タタ・モーターズは、2008年に英名門ブランドのジャガーとランドローバーを買収し、リライアンス財閥もスティーブン・スピルバーグの映画製作会社ドリームワークスの株の50%を取得した。大都市には派手な大型ショッピングモールが乱立している。だが、急成長を遂げる一方で、インドは依然として世界最大の貧困層を抱えている。貧困と差別は密接に関連している。蔓延する政治腐敗の問題もある。知識人のアシス・ナンディは、インドの民主主義は、選挙での勝敗しか考えない政治家によって「シフォクラシー(選挙第一政治)」に堕落したと嘆いている。政治家が選挙のことしか考えないため、紛争は放置され、インフラを再建することも、農業生産性を高めることも、医療ケアを弱者に拡大することもできずにいる。そして、こうした危機のすべての根底にあるのが、持てる者と持たざる者の格差の拡大なのだ。

  • 経済成長の光と影
  • 貧困とスラム
  • 依然として残る身分差別
  • 複雑な政治腐敗
  • 政治の停滞

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