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ギリシャ離脱でもユーロは存続する
――マーストリヒトの崩壊と「ニューノーマル」

ダニエル・ケレメン ラトガース大学政治学教授 同大学ヨーロッパ研究センター所長

Europe’s New Normal

2012年6月号掲載論文

たしかに、ギリシャがユーロ圏から離脱すれば壊滅的な事態となり、ヨーロッパは大きなトラウマに苦しむことになる。だがそれによって、「ポスト2008年のユーロの新統治システム」が揺るがされることはない。重要なのは、マーストリヒトが定めた統治システムの多くが今回の危機によって放棄され、いまや、危機前に存在したものよりも、はるかに持続性のある、力強い統治システムが誕生していることだ。今後は、マーストリヒトではなく、加盟国の財政に対する厳格な監督、力強い強制措置、より積極的な中央銀行の介入によって規定される、ポスト2008年の「ニューノーマル」がユーロとEUを支えていくことになるだろう。

  • 新しい現実
  • ユーロ離脱シナリオ
  • 変化した統治システム
  • ヨーロッパのニューノーマルとモラルハザード
  • 新しいユーロゾーンへ

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