2009 Getty Images/iStock.com

宇宙探索を続けるべき理由

ニール・ドグラース・タイソン
アメリカ自然歴史博物館
ヘイデンプラネタリウム館長

The Case for Space

Neil DeGrase Tyson アメリカの天体物理学者で、現在は、アメリカ自然歴史博物館・ヘイデンプラネタリウム館長。少年時代にヘイデンプラネタリウムを訪れて以来、宇宙に大きな関心を示すようになり、15歳で天文学者を前に講演し、コーネル大学にいたカール・セーガンが学部生としてスカウトしようとしたというエピソードの持ち主(実際にはハーバード大学へ進学)。宇宙探索に関する大統領委員会のメンバーを歴任し、宇宙探索に関するメディアへのエクスポージャーも多い。

2012年4月号掲載論文

天体物理学者、生物学者、化学者、エンジニア、惑星地質学者などでチームを組む宇宙探索ほど領域を越えた技術の応用を促すものはない。例えば、宇宙の天文台ともいわれるハッブル宇宙望遠鏡の画像処理をめぐる技術革新が医療分野に応用され、マンモグラフィーを通じたガンの早期発見に役立てられ、多くの女性たちがガンの脅威から解放されている。だが、いまや財政、党派対立に足をとられて、アメリカの宇宙開発計画は停滞し、一方で中国が自立的な宇宙志向国家(スペースパワー)への道を着実に歩みつつある。例えば、火星の地表にはなぜ液体が存在しないか。何か悪いことが火星に起きたわけで、似たようなことが地球でも起きていないかどうか、その兆候を特定することは非常に重要だ。経済的に困難な時代にあるとしても、宇宙探索への投資は経済を刺激し、人々の期待を満たし、次世代の人々の夢を育むことができる。

  • なぜ人類は宇宙を探索するか
  • 進展する中国の宇宙プロジェクト
  • アメリカの自然科学研究の衰退
  • ハッブル宇宙望遠鏡の功績
  • 宇宙計画の多様な価値

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