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政治から離れ、宗教へ回帰する米宗教界
―― 宗教右派台頭の一方で進む宗教離れ

デヴィッド・E・キャンベル ノートルダム大学准教授
ロバート・D・パットナム ハーバード大学教授

God and Caesar in America

David E. Campbell ノートルダム大学准教授。専門はアメリカ政治、宗教と政治など。
Robert D. Putnam 政治学者で、ハーバード大学ケネディスクール教授。著書にアメリカ社会の衰退を論じたBowling Aloneなどがある。

2012年4月号掲載論文

この20年にわたって「教会のミサに参加するかどうか」が、共和党と民主党の有権者を分ける大きな指標とされてきた。現状では、宗教がアメリカ政治、特に右派勢力の立場に与える影響が非常に大きくなっているが、この現実に対する反発も大きくなっている。保守的価値、宗教的価値が否定された1960年代の反動として、その後、福音派を含む、伝統的な宗教が復活したが、いまや、この20年間で組織化され、政治的な影響力を増した宗教組織に対する反発が若者を中心に大きな広がりをみせている。特にアメリカの若者たちは、「宗教心をもつことがたんに保守政治を支持することを意味するのなら、宗教にはかかわらない」と考えている。宗教右派の台頭と宗教の政治化を前に、多くの人が宗教そのものに背を向け始めている。共和党指導者にとって頭が痛いのは、支持層の一部が強く支持する政治と宗教の融合というテーマに対して、一般有権者がますます嫌悪感を示し始めていることだ。

  • 政治的指標としての「教会に行くか行かないか」
  • 宗教の台頭と衰退、そして・・・
  • ティーパーティー派と共和党のジレンマ
  • 若者を中心に進む宗教離れ
  • 政治から遠ざかる宗教

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