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貧困から経済開発への困難な道のり
――なぜ人は間違った選択をするのか

ティモシー・ベスレー ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス 経済学教授

Poor Choices

Timothy Besley  ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授で、専門は公共経済学、開発経済学など。2006年から2009年までイングランド銀行金融政策委員会の外部メンバーを務めた。

2012年3月号掲載論文

途上国に広がるスラムをみて、胸が痛まない人はいないだろう。飛行機を使えば数時間で往来できる二つの地点で、極端な貧富の差が存在するという現実が、まるで合理性、効率性、公平性を模索する経済学の無力さを象徴するかのように存在する。先進国は莫大な援助を提供することで、こうした脆弱な国家を助けようと試みてきた。だが結果的には経済開発の推進などほとんど気に懸けない政府を強化しただけだった。いまや、現場での経済的必要性を分析することで、貧困層の削減を試みる現場主義のアプローチがとられるようになった。これには応分のメリットがあるし、すでに成果も出ている。だが、それでもエコノミストは、どうすれば政府が経済開発を育んでいけるか、その政治要因を理解しようと試みるべきだ。中国がこれまでのところは実現しているように、貧困層を削減するための重要なポイントは、政治構造と経済構造をいかに連動させるかにあるからだ。

  • いかに生活レベルを引き上げるか
  • 不合理な選択?
  • 借入ではなく貯蓄の管理を
  • 中国の経済開発モデルの限界
  • 好循環を生み出すには

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