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「欧米世界」をユーラシア、日韓へ拡大し、
日中和解を模索せよ

ズビグニュー・ブレジンスキー
カーター政権国家安全保障問題担当
大統領補佐官

Balancing the East, Upgrading the West―― U.S. Grand strategy in an Age of Upheaval

Zbigniew Brzezinski 1977―1981年にカーター政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めた。この論文は、『戦略的ビジョン―アメリカとグローバルパワーの危機(Strategic Vision: America and the Crisis of Global Power)』からの抜粋。

2012年1月号掲載論文

北米、ヨーロッパだけでなく、(最終的にはロシアとトルコを含む)ユーラシア、さらには、日本と韓国を内包する「拡大欧米」世界を形作れば、他の文化圏にとっての欧米世界の中核原則の魅力は高まり、ゆっくりとではあっても、普遍的な政治文化の出現を促せるようになる。一方、中国を中心とする東洋にもエンゲージしていく必要がある。だが、アジアの安定を非アジアパワーが強要するのは不可能だし、ましてやアメリカが直接的に軍事力を用いて安定を維持していくことはできない。アメリカがアジアの安定を物理的に支えようと試みれば、下手をすると、20世紀のヨーロッパにおける悲劇をアジアで再現することになる。一方アメリカが、日中間の和解、中印間のライバル関係の緊張緩和を仲介する役目を果たせば、安定化の見込みは大きく開けてくる。第二次世界大戦後のヨーロッパの政治的安定が、独仏の和解なしでは成立しなかったのと同様に、慎重に日中関係の深化を育んでいくことが、極東における安定強化の起点になる。・・・・

  • 欧米と東洋の再設計
  • ロシアを取り込んで「欧米世界」を拡大するには
  • 中国とのイデオロギー対立を避けよ
  • 21世紀型アジア安全保障とは
  • 米中関係を管理していくには
  • 協調するか、傷つけ合うか

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