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「競争的権威主義」国家は帝政ドイツと同じ道を歩むのか
―― ビスマルクの遺産と教訓

マイケル・バーンハード フロリダ大学政治学教授

The leadership Secret of Bismarck

Michael Bernhard フロリダ大学政治学教授。専門は政治制度の変化、ヨーロッパ政治など。

2012年1月号掲載論文

異なる社会集団が権力を競い合うことは許容されるが、公正な選挙という概念は踏みにじられ、支配エリートによって野党勢力は抑え込まれ、リベラルな規範などほとんど気にとめられることはない。ロシアからペルー、カンボジアからカメルーンにいたるまで、帝政ドイツにルーツを持つこの「競争的権威主義」体制をとる国はいまも世界のあらゆる地域に存在する。かつてのドイツ同様に、現在の競争的権威主義国家も世界を揺るがす衝撃を作り出すことになるのか、それとも、民主化への道をたどっていくのか。これを理解するには、ビスマルクが育んだ政治文化が、なぜ彼の没後数十年でドイツを壊滅的なコースへと向かわせたのかを考える必要がある。結局、「支配エリートたちが完全に自由な政治制度がもたらす政治的不透明さに対処していく気概を持つかどうか」が、競争主義的権威主義体制を民主化へと向かわせるか、それとも独裁者の聖域を作り出すことになるのかを分けるようだ。

  • 帝政ドイツと現在の世界を比べると・・・
  • 政治的天才、ビスマルクの権謀術数
  • 抑圧と取り込み
  • 競争的権威主義体制は民主化へと向かうか、それとも・・・

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