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なぜハイチは瓦礫に埋もれたままなのか
―― 巨大地震からの復興を阻む
統治の空白

ポール・コリアー / オックスフォード大学教授

Haiti’s Rise from the Rubble

Paul Collier オックスフォード大学経済学教授で、代表的な著書に『最底辺の10億人――最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か』がある。2008年のハリケーン災害後、ハイチ政府の要請で「ハイチ――自然災害から経済安全保障へ」というタイトルのリポートをまとめている。

2011年10月号掲載論文

2010年、地震後のハイチが直面した切実な課題は、100億ドルの援助をどうすれば社会を変貌させる復興と再建にうまく生かせるかという点にあった。「かつてよりもよい状態へ再建する」。これが復興のキャッチフレーズにされた。その任務は気も萎えんばかりに大きかったが、特に複雑なことではなかった。人々をより地震の影響を受けにくいところで生活させ、この地域で雇用を創出し、社会サービスを提供する。これが基本だった。だが問題は、慢性的な社会的機能不全という環境で地震という急性の危機が起きたことだ。慢性症状が急性症状をさらに深刻にし、緊急事態への対応を難しくしている。急性症状を治すには、まず慢性疾患を治さなければならないという、非常に難しい状況にハイチは追い込まれている。

  • 統治なき国を襲った巨大地震
  • 統治の空白と国際援助のジレンマ
  • ルワンダとハイチの違い
  • よりよい未来を建設するには

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