食糧危機、ドル安、金融危機に翻弄される人道援助
―― なぜ支援がそれを必要としている人々に届かない

ローリー・ギャレット 米外交問題評議会グローバルヘルス担当シニア・フェロー

How a Faltering Dollar Starves Food Aid

Laurie A. Garret 米外交問題評議会、グローバルヘルス担当シニア・フェロー。専門は慢性疾患、感染症、病気と社会、バイオテロ、公衆衛生と外交政策など。ピューリツァー賞受賞ジャーナリスト。

2011年9月号掲載論文

飢饉がアフリカ東部を襲い、緊急食糧支援、人道支援が必要とされているにも関わらず、必要としている人々のもとに支援がうまく届いていない。理由は多岐にわたる。2002年と現在の価格を比較すると、米の国際価格は204%、小麦は164%、トウモロコシは260%上昇していることからも明らかなように、穀物価格が軒並み上昇している。しかも、援助が通常ドル建てで行われるために、昨今におけるドル価値の低下は、同じドルで調達できる穀物の量が小さくなっていることを意味する。さらに、人道的危機に対しては大規模な援助をしてきたイタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、アイルランドなどは、国が破綻するのを避けるために対外援助を打ち切らざるを得ない状況に追い込まれている。しかも、武装勢力が人道支援活動にとって障害を作り出している。これらは、アフリカの角地域でかつてなく大規模な飢饉が起きているにも関わらず、食糧援助の対象にできる人々の数が大きく減少していることを意味する。問題は、こうした複合危機解決の糸口が見えないことだ。・・・

  • ドル安による援助額の低下で何がおきているか
  • 複合危機としてアフリカの人道危機

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