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クリーンエネルギーの不都合な真実
―― 補助金を脱した真のクリーンエネルギー革命に向けて

デビッド・ビクター カリフォルニア大学教授
カッシア・ヤノセック タナ・エナジーキャピタルLLC プリンシパル

The Crisis in Clean Energy

David Victor 米外交問題評議会科学技術担当ディレクター、スタンフォード大学教授を経て、現在は、カリフォルニア大学サンディエゴ校・国際関係大学院教授。専門は、技術革新と経済成長、エネルギー、地球温暖化、遺伝子組み替えなど。
Kassia Yanosek BPの戦略マネージャー、プライベート・エクイティなどでエネルギー市場、電力生産、代替エネルギー部門の分析と投資を担当した後、タナ・エナジーキャピタルLLCを立ち上げた。現在は同社プリンシパル。

2011年7月号掲載論文

世界のクリーンエネルギー・プロジェクトへの投資の8分の7は、政府の補助金がなければ、在来エネルギーとは競合できない既存技術を対象としており、真の技術革新への投資は、全体からみれば、ほんの一部でしかない。問題は、政府によるクリーンエネルギー促進策が景気刺激策の一環として実施されてきたことだ。その結果、投資家は、在来型のエネルギー資源と競合できるようになるポテンシャルを秘めた技術革新レベルの高い技術ではなく、(補助金が期待でき)早く簡単に実施できる既存のプロジェクトへと資金をつぎ込んでしまった。クリーンエネルギー産業の先行きは憂うつと言わざるを得ない。地球温暖化を引き起こさずに大規模な電力を生産できるのは現状では原子力だけだ。貴重な公的資金を、バイオ燃料、あるいは、ソーラーエネルギーや風力エネルギーにつきまとう断続問題を克服できるエネルギー貯蔵技術を含む、電力生産領域における画期的な技術革新の実証実験と配備へとシフトさせる必要がある。

  • 補助金頼みのクリーンエネルギー
  • クリーンエネルギー危機の本質
  • 衰退するクリーンエネルギー産業
  • 「クリーンエネルギー革命」を実現するには
  • 経済性のある技術革新を

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