Alexander Gatsenko/istock.com

金融危機が出現させたGゼロの世界
――主導国なき世界経済は相互依存から
ゼロサムへ

イアン・ブレマー
ユーラシア・グループ会長
ノリエル・ルービニ
ニューヨーク大学教授

A G-Zero World
――The New Economic Club Will Produce Conflict, Not Cooperation

Ian Bremmer 政治リスクコンサルティング企業「ユーラシア・グループ」代表で、The End of the Free Marketの著者。
Nouriel Roubini ニューヨーク大学ビジネススクールの教授で、ルービニ・グローバル・エコノミクスの理事長。Crisis Economicsの共著者。

2011年3月号掲載論文

市場経済、自由貿易、資本の移動に適した安全な環境を作りだすことを覇権国が担ってきた時代はすでに終わっている。アメリカの国際的影響力が低下し、先進国と途上国、さらにはアメリカとヨーロッパ間の政策をめぐる対立によって、世界が国際的リーダーシップを必要としているまさにそのときに、リーダーシップの空白が生じている。われわれは、Gゼロの時代に足を踏み入れている。金融危機をきっかけに、さまざまな国際問題が噴出し、経済不安が高まっているにもかかわらず、いかなる国や国家ブロックも、問題解決に向けた国際的アプローチを主導する影響力をもはや失ってしまっている。各国の政策担当者は自国の経済成長と国内雇用の創出を最優先にし、グローバル経済の活性化は、遠く離れた二番目のアジェンダに据えられているにすぎない。軍事領域だけでなく、いまや経済もゼロサムの時代へ突入している。

  • 主導国を欠いた秩序
  • G7からG20そしてGゼロへ
  • 「気がつけば運転席に誰もいない」
  • 誰がドルを必要としているのか
  • 経済安全保障時代の終わり

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2011 by the Council on Foreign Relations, Inc.,and Foreign Affairs, Japan

Page Top