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CFRインタビュー
人口動態でみるアラブ世界の民衆蜂起
――「ユースバルジ」が中東を変える?

ラグイ・アサード ミネソタ大学教授

Demographics of Arab Protest

Ragui Assaad ミネソタ大学教授で、専門は途上国の労働政策、労働市場分析、開発政策など。世界銀行のコンサルタントも務めた。

2011年3月号掲載論文

中東では多くの若者たちが、教育を受けたにもかかわらず、まともな職に就けずにおり、現状に大きな不満を抱いている。これが今起きていることの根底にある問題だ。だが、人口構成に占める若者の人口が突出して多い「ユースバルジ」が問題をさらに深刻にしている。歴史的にも、青年人口が突出して多い国では社会的混乱が頻発することが多い。混乱は平和的なものにも破壊的なものにもなる。チュニジアやエジプトでの抗議行動が概して平和的なものだったのは幸運だった。両国の場合、欧米が民主化への移行を支援すれば、ユースバルジを社会の責任あるメンバーとして取り込み、長期的には非常に建設的な未来展望が開けてくるかもしれない。だが、政治体制が非常に脆く、社会が分裂している国では、ユースバルジが社会紛争を長期化させ、国を破綻国家へと向かわせるリスクもある。実際、イエメンはそうなるリスクがあるし、パレスチナもそのリスクを抱えている。

  • ユースバルジと失業とデモ
  • 不満をくみ取れる政治システムと 市場経済の導入を

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