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インターネットのジレンマ
――セキュリティと相互運用性をいかに両立させるか

ロバート・ネイク 
米外交問題評議会国際関係フェロー

Internet Governance in an age of Cyber Security

Robert K. Knake サイバー戦略のコンサルティングファーム、グッドハーバー・コンサルティングのプリンシパルを経て、現在は米外交問題評議会国際関係フェロー。専門はサイバーセキュリティ、サイバー戦争、国土安全保障、リスク管理など。米国土安全保障省のタスクフォースメンバーも務めた。

2011年2月号掲載論文

世界に一つしか存在しない相互運用性のあるネットワークであるインターネットは、世界の経済成長を大きく促し、文化的な境界、国境線を越えてビジネスと思想を共有することを実現し、各国を結びつけてきた。だが、サイバー犯罪やサイバー空間の軍事化が、個々のネットワークだけでなく、インターネットの相互運用性と相互接続性そのものを脅かしている。現状を放置すれば、相互接続空間は、国が管理し、厳格な監督下に置かれる国別の閉鎖的なインターネットへと分断されていく危険がある。したがって、サイバー攻撃を阻止し、サイバー犯罪を防ぎ、国家アクターによる悪意のある活動を制御できるような国際メカニズムを新たに考案する必要があるが、インターネットを支えるプロトコルをもっと安全にするための再設計に投資するとともに、その試みが、インターネットに由来する開放的価値を温存・拡大するように十分に配慮しなければならない。

  • サイバー空間の現実
  • なぜインターネット統治が必要か
  • 新たな政府間構想
  • サイバー犯罪の脅威を低下させるには
  • サイバー犯罪条約の限界
  • サイバー犯罪対策のモデルとは
  • サイバー空間での政府の役割は最低限に
  • 国際条約で何を規制するか
  • ルートオペレーションの聖域化を
  • DoS攻撃を禁止するには
  • プロトコルのセキュリティ強化を
  • 相互運用性の維持するには

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