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ロシアの政治・経済を支配するシロヴィキの実態
―― 連邦保安庁というロシアの新エリート層

アンドレイ・ソルダトフ Agenture.Ruの共同設立者
アイリーナ・ボローガン Agenture.Ruの共同設立者

Russia's New Nobility

2010年12月号掲載論文

ソビエト時代の国家保安委員会(KGB)は非常に大きな力を持つ組織だったが、それでも政治体制の枠内に置かれ、共産党がKGBをあらゆるレベルで監視していた。だが、KGBとは違って、今日のFSB(連邦保安庁)は、外からの監督も干渉も受けない。プーチン時代に入ってから2年後には、FSBはソビエト時代のKGBよりもパワフルで恐れられる存在となり、政治、外交、経済領域での大きな権限から利益を引き出していた。これは、かつてのKGBのオフィサーだったプーチンが、信頼できるのはFSBだけだと考え、この10年間で、国家機関、国営企業の数多くの要職にFSBの人材を任命した結果だった。メドベージェフ大統領が本気でロシアを近代国家に作り替えるつもりなら、まったく制御されていないFSBではなく、国の安全の擁護者を新たに作り上げる必要がある。

  • なぜFSBはKGB以上の力を持っているか
  • KGBの役割は何だったのか
  • 情報治安組織によるクーデターを恐れたエリツィン
  • プーチンの登場とFSBの台頭
  • FSBはモスクワの政敵を監視する
  • 「選択的監視体制」の誕生
  • 特権層としてのFSB生
  • シロヴィキ内の抗争
  • モスクワの利益、FSBの利益
  • ロシア流パラノイア政治
  • 暗黒の騎士

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