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CFRインタビュー
輸出を増やすのは為替か貿易自由化か
――環太平洋パートナーシップの実現を

ゲリー・C・ハフバウアー 国際経済研究所シニアフェロー

Obama’s Flawed Export Plan

Gary C.Hufbauer 米財務省国際貿易・投資政策副次官補、ジョージタウン大学教授(国際金融)を経て、現在は国際経済研究所(IIE)シニアフェロー

2010年4月号掲載論文

オバマ大統領は2010年の年頭教書演説で、5年間でアメリカの輸出を倍増させることを目標にすると表明し、3月には関係閣僚会議、財界指導者による大統領輸出評議会の設置も決め、中国の人民元の切り上げの必要性にも言及している。確かに、1970年代に5年という時間枠で輸出が倍増したことはあるが、この時期にはインフレが起きていたし、実質為替相場が低下していた。したがって、輸出倍増目標を実現するには、かなりのインフレかドル安、あるいはその双方が必要になる。「為替の見直しをせずに、輸出を倍増できると考えるのはナンセンスだが」、中国が人民元の切り上げに応じるかどうかはっきりしないし、インフレにはなりそうにはない。むしろ、「自由貿易路線を進めることこそ、輸出入のバランスをとる最善の策だ」。各国との自由貿易協定を実現し、ドーハ・ラウンドを決着させるとともに、(アジア・太平洋自由貿易圏への道を開く)「環太平洋(戦略的経済)パートナーシップ」のような優れたプロジェクトを現実に立ち上げる必要がある。

  • 輸出倍増は見果てぬ夢か
  • 自由貿易の促進を
  • 人民元の切り上げなしで輸出は増えるか

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