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ドルとアメリカの赤字 (前編)
――次なる危機を回避するには

C・フレッド・バーグステン ピーターソン国際経済研究所ディレクター

The Dollar and the Deficits

C.Fred Bergsten 
財務次官補などを経て、現在はピーターソン国際経済研究所の所長。フォーリン・アフェアーズに寄せた最近の論文には「米中によるG2の形成を」(フォーリン・アフェアーズ日本語版2008年7・8月合併号)がある。

2009年11月号掲載論文

諸外国がアメリカの大規模な財政赤字を(米国債の購入などを通して)ファイナンスし続けるとすれば、現在の危機をもたらした状況が再現され、金融メルトダウンのリスクが再び生じる。同時に、外国資金への需要がますます高まっていけば、いずれその構図は維持不能になり、2030年に到達するはるか前にドル価値は暴落し、ハード・ランディングという事態に直目する。幸運に恵まれて今後において危機を回避できたとしても、ますます多くの所得を対外債務の返済に充てなければならなくなり、アメリカ人の生活レベルは低下する。・・・すでにアメリカの運命は、中国だけでなく、日本、ロシア、そして数多くの産油国など、債権国の手に握られている。速やかに持続可能な経済ポジションへと立ち返り、その路線を維持していかない限り、経済、外交領域での政策上の自由も次第に損なわれていくだろう。

  • 現状を続けられぬ理由
  • ドルの運命
  • ドルのダウンサイズを

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