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米軍は東アジア海域とペルシャ湾に介入できなくなる?
―― 危機にさらされる前方展開基地と空母

アンドリュー・F・クレピネビッチ 戦略・予算評価センター所長

The Pentagon's Wasting Assets

Andrew F. Krepinevich, Jr 戦略・予算評価センター所長で、国防長官室国防政策ボードのメンバー。ウエストポイント、米国防総省勤務を経て現職。最近の著作にSeven Deadly Scenarios(=七つの深刻なシナリオ)がある。

2009年9月号掲載論文

アメリカが死活的に重要な利益を有する地域・海域に、伝統的な作戦概念で戦力を展開させるのが次第に難しくなってきている。事実、米軍は、東アジア海域とペルシャ湾に次第に立ち入れなくなりつつある。中国は、沖縄の嘉手納空軍基地、グアム島のアンダーセン空軍基地などの前方展開基地から米軍が自由に作戦行動を取れないようにするために、これらの基地をかなりの精度で攻撃できる通常兵器を装填した弾道ミサイルの大がかりな配備を進めている。東アジアの海域はゆっくりとだが、それでも着実に米海軍、とくに空母が立ち入れない海域になりつつある。・・・ワシントンの政策決定者は今後における真の脅威を軽くみている。このままでは、いずれ「驚きを禁じ得ない戦略状況」に直面する。冷戦初期に試みられた戦略見直しと同様の奥深さとビジョンを持つ、アメリカの世界戦略に関する包括見直しがいまや必要とされている。

  • 戦略の全面的な見直しを
  • 無駄な資産
  • 演習で「イラン」軍に敗れた米軍
  • 欧米の技術、東洋の戦略
  • RAMMの拡散によって高まる武装勢力の脅威
  • サイバー戦争と衛星破壊兵器
  • 新しい現実に適応せよ
  • G―RAMM対策
  • 中国とイランへの対抗策はあるか
  • 米軍の影響力低下は避けられない

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