米中G2構想という幻想
―― 対中多国間アプローチを

エリザベス・エコノミー 米外交問題評議会アジア担当ディレクター
アダム・シーガル 米外交問題評議会中国担当シニア・フェロー

The G-2 Mirage: Why the United States and China Are Not Ready to Upgrade Ties

Elizabeth C・ Economy 米外交問題評議会アジア研究部長。 専門は中国の国内政治、米中関係、地球環境問題。
Adam Segal 米外交問題評議会中国担当シニア・フェロー。専門は中国とインド技術革新、東アジア安全保障、中国の内政と外交政策。

2009年05月号掲載論文

グローバルな課題に対応していく上でアメリカは中国の協力を必要としている。だが、この観点から米中の二国間関係を強化しようと試みても、利益認識や価値観の違い、政策遂行能力の違いが災いして、うまくパートナーシップを形成するのは現実には難しい。中国との協力という言葉は心地よい響きを持つが、実際にはそれが一筋縄ではいかないことを認めなければならない。結局は混乱に直面して双方が反発しあうことになる。こうした関係悪化の下方スパイラルの渦にはまるのを避けるには、ワシントンは中国への対応をめぐって世界各国から支援を引き出すべきだ。現状における重要な問題のすべてに中国が影響を与えているとみなし、台頭途上のグローバルなパワーである中国からより多くの協調を引き出したいと考えているのはアメリカだけではない。アメリカが中国との関係を前に進めたいのであれば、他の国も中国との交渉に参加させる必要がある。

  • 米中協調という見果てぬ夢
  • 「ビジネスと政治は別」
  • 食品安全基準・環境問題
  • 軍事・経済関係
  • 中国への多国間アプローチを
  • 二国間対話を超えて

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