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金融危機と戦略問題
――R・ハースの米下院軍事委員会における証言から

リチャード・N・ハース/米外交問題評議会会長

Statement of Richard N. Haass:
Before the Committee on Armed Services. U.S. House of Representatives

Richard N. Haass ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の特別顧問、国家安全保障会議(NSC)の近東・南アジア政策担当シニア・ディレクターを務める。その後、ブルッキングス研究所副所長を経て、米国務省政策企画局長。パウエル国務長官の首席顧問として外交政策に対する広範な助言を行った。2003年7月から米外交問題評議会(CFR)会長。

2009年4月号掲載論文

金融危機が民衆の政府に対する不満を高め、これが、中国やロシアでの政治的抑圧の強化へとつながっていく恐れもある。途上国への投資が先細りとなるなか、先進国がさらに途上国への対外援助を削減するようになれば、破綻国家の数は増える一方になるかもしれないし、その余波は深刻なものになる。各国が、短期的な経済成長に目を向けるあまり、長期的な温暖化対策に後ろ向きになる危険もある。すでに各国では保護主義が台頭しており、「G20諸国のうちの約17カ国が、2008年11月の金融サミット以降に何らかの形で貿易障壁を引き上げている」。そして、大規模な景気刺激策の後には、インフレやドル危機が待ち受けているかもしれない。今回の危機が次なる危機を引き起こさないようにするには、何をどうすればよいか・・・

  • 資本主義・市場経済モデルの危機ではない
  • 経済危機と安全保障
  • 途上国経済と中国、ロシア
  • イラン、ベネズエラ、イラク、パキスタン、北朝鮮
  • 保護主義台頭の余波
  • 経済危機の戦略的余波を抑え込むには
  • 危機後の新たな危機を回避するには

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