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石油の富と呪縛
―― なぜ資源保有国は貧困から抜け出せないのか

マイケル・L・ロス カリフォルニア大学政治学部准教授

Blood Barrels

Michael L. Ross  ミシガン大学政治学准教授、世界銀行客員研究員を経て、現在はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の政治学准教授。専門は政治経済学、民主化、天然資源、途上国における貧困問題。

2008年5月号掲載論文

途上世界の資源保有国のほとんどは貧しく、非民主的だし、まともな統治体制を持っていない。そこに石油資源からの富が流れ込めば、往々にして紛争が誘発されるか、すでに起きている紛争を長期化させる。資源がもたらす富が建設的投資にまわされることはなく、結果的に貧困が続く。史上例のない原油価格の高騰は、棚ぼたの経済利益を資源保有国にもたらし、これが逆に紛争を助長してしまう危険がある。必要なのは、こうした資源国に輸出の対価として政治腐敗と紛争を助長するキャッシュを与えるのではなく、インフラ整備や社会サービスなどを提供し、成長の基盤を整えることではないか。

  • 産油国の紛争はなぜなくならない
  • 石油の呪縛とは何か
  • なぜ石油資源は紛争を助長するか
  • 批判への反論
  • 歴史は続く

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