EastVillage Images/shutterstock.com

アメリカの相対的衰退と無極秩序の到来
――アメリカ後の時代を考える

リチャード・N・ハース 米外交問題評議会会長

The Age of Nonpolarity

Richard N. Haass ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の特別顧問、国家安全保障会議(NSC)の近東・南アジア政策担当シニア・ディレクターを務める。その後、ブルッキングス研究所副所長を経て、米国務省政策企画局長。パウエル国務長官の首席顧問として外交政策に対する広範な助言を行った。2003年7月から米外交問題評議会(CFR)会長。

2008年5月号掲載論文

現在の国際システムの基本的特徴は、国がパワーを独占する時代が終わり、特定の領域における優位を失いつつあることだ。国家は、上からは地域機構、グローバル機構のルールによって縛られ、下からは武装集団の挑戦を受け、さらには、非政府組織(NGO)や企業の活動によって脇を脅かされている。こうしてアメリカの一極支配体制は終わり、無極秩序の時代に世界は足を踏み入れつつある。そこでは、相手が同盟国なのか、敵なのかを見分けるのも難しくなる。特定の問題については協力しても、他の問題については反発し合う。協調で無極化という現象を覆せるわけではないが、それでも、是々非々の協調は状況を管理する助けになるし、国際システムがこれ以上悪化したり、解体したりしていくリスクを抑え込むことができる。

  • ノンポラリティーとは
  • 新しい世界秩序
  • 一極支配時代の終わり
  • アメリカのパワーはなぜ衰退したか
  • 無極化が導く無秩序
  • アメリカに何ができるか
  • 是々非々の多国間主義

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2008 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top