CFRインタビュー
動き出したイラクの
政治プロセスと米軍撤退の行方

ダニエル・P・サーワー 米平和研究所紛争後平和構築・安定化センター副所長

Signs of Political Compromise

Daniel P. Serwer 米平和研究所(USIP)の紛争後平和構築・安定化オペレーションセンターの副所長。おもにイラクの民族間・宗派間対立を事前に防ぐことや、セルビア人とアルバニア人との対話仲介などに取り組んでいる。

2008年3月号掲載論文

イラクの治安情勢が改善しつつあるのに、政治プロセスが完全に麻痺していると長く言われてきた。だが、イラク研究グループの統括議長を務めたダニエル・サーワーは、「これまで完全な膠着状態にあったイラクの政治状況がしだいに動き出している」と指摘する。「イラク議会は政治的に妥協することを学びつつあるし、しかも、妥協プロセスにおいて各派は憲法を幾度となく引き合いにだして自分の立場を主張するようになった」と。
 政治プロセスが動き出した理由として、サーワーは「スンニ派、シーア派といった宗派主義では民衆は救えない」ことが認識されだし、2008年に選挙が予定されている州評議会が政治的に機能しだしたこと」を挙げている。
 米軍の撤退については「2009年1月の時点で、駐留米軍の兵力は13万前後のはずだし、米軍のプレゼンスを維持せざるを得ないという現実におそらく新大統領は直面する」と今後を予測するサーワーは、「秩序だった形で撤退を進めるには、数年という時間枠が必要になる。この数年間のどこかの段階で、残留戦力をどのくらいにし、米軍にどのような任務を課すかを見直さなければならない」とコメントした。
 聞き手は、バーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

  • 動き出したイラクの政治プロセス
  • ナショナリズムの台頭とスンニ派の変化
  • 新大統領が直面するイラクの現実とは

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