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ロシアとの新冷戦を回避するには
―― なぜロシアは対米不信に陥ったか

ディミトリ・K・サイメス ニクソンセンター所長

Losing Russia

Dimitri K. Simes カーネギー国際平和財団のロシア・ユーラシア研究センター議長を経て、現在はニクソンセンター所長。ナショナル・インタレスト誌の発行人も務める。

2008年1月号掲載論文

アメリカが犯した最大の間違いは、ロシアを「敗北したかつての敵」として扱ってしまったことだ。だが、ロシアは変貌を遂げた国ではあっても敗戦国ではなかった。ロナルド・レーガンがクレムリンへの圧力を強化することで、解体プロセスを後押ししたのは事実だが、ソビエト帝国の歴史に終止符を打ったのは、ホワイトハウスではなく、ゴルバチョフだった。この点を理解しなかったワシントンは、ロシアのことを潜在的なパートナーとしてではなく、財政力に欠け、機能不全に陥った弱体な国家とみなし、ソビエトの新生国家を可能な限りアメリカ側に取り込むことで、ソビエトの解体というトレンドをさらに間違いのないものにしようと考えてしまった。そしていまや、再生したロシアがアメリカの敵対勢力になるリスクは現実味を帯びてきている。そうした現実に直面するのを回避するには、ワシントンは何が問題だったのかを理解すべきだし、関係悪化という流れを覆すための適切な措置をとる必要がある。

  • 敗戦国として扱われたロシアの反発
  • ソビエト帝国の解体とアメリカの態度
  • クリントン政権の横暴と判断ミス
  • そして新しい米ロ対立の時代へ
  • ロシアとどう接していくか
  • 米ロ協調への青写真

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