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イラクの内戦を終わらせるには
 ――マリキ政権への支持をやめよ

ジェームズ・D・フィーロン スタンフォード大学教授

Iraq's Civil War

James D. Fearon スタンフォード大学の政治学教授で、民族問題と内戦の専門家。

2007年5月号掲載論文

いまやシーア派主導のイラク政府はスンニ派との内戦をめぐって公然とシーア派寄りの路線をとりだしている。こうした状況下、ブッシュ政権が現イラク政府の成功に肩入れすればするほど、シーア派に味方することになり、これは道義的にも疑わしい路線であり、アメリカの利益にもならなければ、中東地域の長期的な安定と平和にも資するところがない。だが、イラク政府への絶対的なコミットメントを緩和させて、米軍を主要な戦域から撤退させれば、イラク内の各勢力も権力分有合意に前向きになるだろう。長期的にはスンニ派、シーア派、クルド人の利益をうまく代弁する政府を樹立するための妥結に向けて、アメリカは仲介役、バランサーの役割を果たせるようになる。「いかなる集団も、権力と資源を他の勢力と共有しないことには勝利を手にすることはない」という認識を定着させるために、アメリカは、外交、経済、そして必要なら軍事的手段を駆使して、イラク内の各勢力間のバランサー役を果たすべきだ。

  • 内戦から権力分有合意への長い道のり
  • トルコ内戦、レバノン内戦との比較
  • 権力分有合意を試みるのは時期尚早だ
  • マリキ政権への支援をやめよ

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