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中台安定化時代の始まり  ――そして台湾は独立を望まなくなった

ロバート・S・ロス ボストンカレッジ政治学教授

Taiwan's Fading Independence Movement

Robert S. Ross  ボストンカレッジ政治学教授。ハーバード大学ジョン・キング・フェアバンク東アジア研究センター・アソシエート。『米中関係の正常化:国際的な歴史』の共同編集者。

2006年4月号掲載論文

台湾海峡周辺地域へのミサイルと戦闘機の配備を強化した中国は、2000年までには、アメリカが軍事介入する前に台湾の繁栄を破壊できるだけの軍事力を整備していたし、急速な経済成長によって台湾経済を左右するような大きな経済的影響力も手に入れていた。北京の台湾に対する軍事的、経済的な影響力を前に、台湾の有権者は、台湾の独立を唱える陳総統と民進党に見切りをつけ、中国と折り合いをつけていくことを選択し、ここに、台湾独立を求める機運は事実上、消え去った。中国と台湾の関係が平和的に改善されていけば、米中戦争のリスクも低下する。北京、台北、ワシントンが軍事・防衛体制を調整する機会さえ生まれることになる。

  • 独立路線の台頭と衰退
  • なぜ台湾独立路線は頓挫したのか
  • 対中関与路線という賭けにでた国民党
  • 平和的共存は可能か

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