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単極構造世界と安保理の崩壊
―― 安保理はなぜ死滅したか

マイケル・J・グレノン/タフツ大学フレッチャー・スクール国際法教授

Why the Security Council Failed

Michael J. Glennon タフツ大学フレッチャー・スクール教授。専門は国際法。最近の著書に『国際法の限界とパワーの優位、コソボ後の介入主義』(仮題)がある。一九七七~八〇年、米上院外交委員会の法律顧問を務め、その後、カリフォルニア大学教授を経て現職。

2003年5月号掲載論文

米欧の対立劇が表面化する前から、すでに国連安保理の命運は尽きていた。第2次湾岸戦争が問題だったのではない。世界の権力構造そのものが、国連憲章が想定していた秩序から大きく様変わりしたのだ。地政学をめぐる唯一の「真理」とは、「国はパワーを模索することで、安全保障を確保しようとする」ということだ。この国家の本能的思惑を不器用に管理しようとする法的制度は、最終的にはこの「真理」によって淘汰されてしまう。各国は(好都合なら)法的制度をツールとして利用し、不都合なら無視する。国際的な法の支配の実現を再度求めるのなら、こうした国の行動パターンと単極構造秩序という現実を認識することが第一ステップとなる。

  • 安保理の攻防
  • 変化した国際政治の権力構造
  • 文化的断層ライン
  • 国は国際法をどう利用するのか
  • 覇権国と国際社会の「抑制と均衡」
  • そして再び新秩序へ
  • 生き残るためには

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