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グローバル統治の民主化を促進するには

ジョセフ・S・ナイ  ハーバード大学教授

Globalization’s Democratic Deficits

Joseph S. Nye ハーバード大学教授・ケネディスクール学部長。この論文は、二〇〇一年三月にロンドンで開催された三極委員会の会議での演説および政治学者のロバート・コヘインとの共著『グローバル化した世界における統治』(Governance in a Globalized World)をもとにしている。ナイは一九九六年以来、コヘインとともにグローバル化と情報革命が軍事、社会、民主主義に与える影響を研究しており、フォーリン・アフェアーズ誌上でもこれまでに「情報革命と新安全保障秩序」(『新脅威時代の「安全保障」』中央公論社、一九九六年、三六~六〇ページ)、「情報化時代のソフトパワーを検証する」(『フォーリン・アフェアーズ傑作選1922―1999』朝日新聞社、二〇〇一年、二八一~三〇一ページ)、「情報化時代の国益」(論座、一九九九年八月号)を発表している。

2001年8月号掲載論文

グローバル化に対する政治的反発が、一足飛びに保護主義的な政策として結実するならば、世界の経済的統合の流れは逆流し始め、その一方で、グローバル化とともに生じた(トランスナショナルな)問題が放置されることになる。われわれは、すでに存在するグローバル統治のための枠組みを拡大して状況に対応していくべきであり、それには、とかく閉鎖的と見なされがちな国際機構側の説明責任と透明性を強化していく必要がある。

  • 国際会議と反グローバル化デモ
  • 国際機関は民主的正統性を欠いている?
  • グローバル民主主義の限界と可能性
  • 「間接的」説明責任のあり方
  • 新しい民主主義者

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