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ヨーロッパの独自防衛は実現するか

フィリップ・H・ゴードン  ブルッキングス研究所 米仏センター長

Their Own Army? ——Making European Defense Work

Philip H. Gordon ブルッキングス研究所で外交政策研究シニアフェローと米仏センター所長を務める。九八~九九年、国家安全保障会議ヨーロッパ問題局長。

2000年9月号掲載論文

ヨーロッパ諸国はコソボ紛争の顛末から、自分たちが軍事的にいかにアメリカに依存しているかを思い知り、大きな変革なしには状況を変化させられないことを認識した。EUによる自立的防衛力を整備すれば、アメリカはヨーロッパにおける重荷を軽減できるし、ヨーロッパはより高い能力を持つパートナーになれる。しかし今回の構想が、ヨーロッパの軍事力の不備を補うような軍事能力の向上ではなく、たんなる官僚制の強化につながり、NATOとの関係を複雑にしてしまうだけなら、ヨーロッパが全般的にいい方向に向かうとは思えない。

  • 「独自軍」構想の背景
  • NATOと欧州軍の棲み分けは可能か

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