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米中関係の試金石としての環境問題

エリザベス・エコノミー  外交問題評議会研究員

Painting China Green: The Next Sino-American Tussle

Elizabeth Economy 外交問題評議会の研究員(Fellow)で、アジア研究部門の副議長。評議会でのアジア経済プロジェクトの数多くを手がけている。ウッドロー・ウィルソン・センターの「中国と環境問題」プロジェクトの共同議長も務めた。近著に『環境政治の国際化(Internationalization of Environmental Politics)』『米中関係の将来(Shaping U.S.-China Relations)』(CFR Book)などがある。

1999年4月号掲載論文

開発かそれとも環境保護かというつば競り合いのなか、中国の指導者は開発のペースが環境悪化のペースを上回ることを期待し、環境問題を世界の他の地域に押しつけ、もっぱら開発を優先させるという行動に出た。国内的に、現政権が正統性を維持できるかどうかが、ひとえに急速な経済成長を持続できるかにかかっていたからだ。だが、昨今の経済ブームが残した環境問題は、脆弱な社会・政治・経済上のインフラを脅かしており、中国の経済成長、つまりは共産党政府の正統性の基盤が持続可能かどうかも危うくなっている。米中関係の厳しい現実からみて、環境問題を新たな対立の火種ではなく協調の手がかりとするには、政治色の弱い「米中環境・開発フォーラム」に中核的役割を与え、フォーラムへの両国の企業、非政府組織(NGO)、研究財団の参加を積極的に働きかけていくべきだろう。

  • 米中の試金石
  • 環境問題と人権問題
  • 環境保護か経済成長か
  • NGOをフォーラムに参加させよ
  • 対中路線の軌道修正

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