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米中接近がアジアを揺るがす

テッド・ギャレン・カーペンター  ケート・インスティチュート国防・外交政策担当副会長

Roiling Asia: U.S. Coziness with China Upsets the Neighbors

Ted Galen Carpenter アメリカのシンクタンクであるケート・インスティチュートの外交政策担当のディレクターを経て、現在、同研究所の国防・外交政策担当副会長。最近の著書にThe Captive Press: Foreign Policy Crises and the First Amendment(Cato Institute, 1995)がある。

1999年2月号掲載論文

クリントン政権の訪中ミッションに象徴されるワシントンの対中接近策は、中国を安全保障上の脅威とみなすインドを憤慨させ、将来への不安を募らす台湾を軍事自主路線の方向へと向かわせただけでなく、古くからの同盟国である日本をも動揺させた。「インドはアメリカが中国から守ってはくれないと結論して、自国の安全は核で守ると決意し」、日本、台湾のアメリカへの信頼も低下している。
 訪中した米政府高官による手厳しい対日批判を、「第二次世界大戦以来初めての米中共同による公の日本批判だ」ととらえる専門家もいるし、一方日本では、戦略を練り直して米中とやり合えるような政治大国になることを考える人もいる。対中接近が伴った余波の帰結がどのようになるか予断を許さないが、「ワシントンは、自らの対中政策が引き起こした、これらの意図せぬ結末を最終的には後悔することになろう」。

  • 米中接近の余波
  • インドの怒りとアメリカの傲慢
  • 自主軍事路線へと向かう台湾
  • 揺れ動く日本
  • 他を犠牲にした対中接近策を見直せ
  • 災厄のための青写真

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