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グローバル経済が求める「法の支配」

トマス・キャロサース  カーネギー国際平和財団研究部長

The Rule of Law Revival

Thomas Carothers カーネギー国際平和財団研究部長で、冷戦終結後の経済改革、移民、核不拡散などのいわゆるグローバル・イッシュー(一国だけでは解決できない地球規模の問題)を中心に研究を続けている。主な著書に、Assessing Democracy Assistance: The Case of Rumania(民主的援助の再評価)などがある。

1998年6月号掲載論文

経済グローバル化の潮流のなか、資本家たちは安定性、透明性を投資対象国に強く求め、投資を引きつけたい諸国も、ある程度はこれを理解している。そして、安定性、透明性、「説明責任」の鍵を握るのが「法の支配」の確立なのである。法改革がある段階で停滞し、特権的な銀行家、財界人、政治家がつくる閉鎖集団間の仲間内の取引をめぐる不透明な状況を取り除けなかったことが、アジア危機の背景として広く指摘されている。グローバル時代における「法の支配」確立の重要性は自明だが、単に法制度、法律を整備するだけでは十分ではなく、政府そして特権的指導者が自らも法の支配の下にあることを受け入れることが不可欠である。

  • グローバル化と「法の支配」
  • アジアとアメリカの違い
  • 経済改革「第二局面」の課題
  • 法改革メニュー
  • 法改革に積極的な東欧、不徹底なアジア
  • 行き詰まるロシア、アフリカ
  • 法制度改革への援助
  • 援助の効果
  • 早急に結果を求めず、長期的な援助を

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