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年金は義務的個人積立制度で

マーティン・フェルドシュタイン ハーバード大学経済学教授

The Case for Privatization

Martin Feldstein ハーバード大学教授で、著名な民間の経済調査団体である「全米経済調査会」(NBER)の会長。レーガン政権期には大統領経済諮問委員会の委員長を務めた。なお、『フォーリン・アフェアーズ』誌(英語版)には、フェルドシュタインの主張に反対する、リチャード・レオーネ(二十一世紀財団会長)の「公的年金を維持せよ」という論文もディベートの一部として紹介されている。

1997年9月号掲載論文

単年度賦課方式の公的年金制度を維持すれば、二〇三〇年には、経済成長も雇用創出も期待できないほどに税率を引き上げなければならない。一方、公的年金システムから義務的な個人年金積立方式へと制度を移行させれば、はるかに軽い税負担で、公的年金と同じレベルの給付を確保できるし、年金積立貯蓄の増大による投資ストックの増加は経済の活性化を生み、「国民所得、実質賃金、全体的な生活レベルの上昇も十分期待できる」。制度移行に批判的な人々の指摘、つまり、制度移行期の第一世代が、二重負担を強いられるという批判は、冷静に計算をすれば、ひどく誇張され、間違ったものである。義務的個人積立制度への移行は、「社会保障制度の将来のコストを劇的に削減するだけでなく、低所得と中間所得層の人たちの生活水準を劇的に向上させる可能性を秘めており、これ以外に社会のほとんどの人々の生活水準を永続的に大きく高める政策は考えられない」。

  • もはや限界にきた公的年金制度
  • 社会保障税の真の問題
  • 個人積立方式で何が可能になるか
  • 経済成長と年金の民営化
  • 新制度への移行コスト
  • 政府管理の弊害
  • 弱者を守るには
  • 市場リスクを回避するには
  • 政治的機会

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