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南北朝鮮分断とアメリカの原罪

ウォーレン・I・コーエン メリーランド大学教授

Compromised in Korea: Redeemed by the Clinton Administration?

Warren Cohen メリーランド大学教授で専門は米中関係。米国のアジア研究の重鎮で、現在はワシントンのウッドロー・ウィルソン・センターのアジア・プログラム顧問議長を兼務。代表的著書に、米国の対中イメージとそれに基づく中国への対応が、二十世紀の米中関係を流動化させたと指摘する『米国の中国への対応』(America's Response to China) がある。

1997年7月号掲載論文

朝鮮半島情勢を「民主主義対共産主義」という枠組みや、米韓同盟対北朝鮮という図式で捉えるのは大きな間違いである。韓国は完全な民主主義国家ではないし、米国と韓国が一枚岩というわけでもないからだ。カミングスの著作が指摘するとおり、冷戦期の「韓国の独裁的軍事政権と米軍の共謀関係」を忘れぬ韓国民衆の根強い「反米主義」がそこに存在するのを忘れてはならない。事実、「光州事件に関して米国が無実である」という米政府の公式見解を鵜呑みにする韓国人はほとんどいない。終戦以来の韓国の擁護者としての米国の自己イメージと、韓国での反米主義という乖離した現実の認識を怠り、歴史の重みを曖昧なままに放置すれば、たとえ統一が達成されても、米国への猜疑心をもつ朝鮮半島は、平和で民主的になるどころか、中国を中心とする東アジアの戦略ゲームに巻き込まれかねない。

  • 冷戦の重荷
  • 韓国における反米主義
  • 実物大の韓国とは
  • 北朝鮮の意図は
  • 予断を許さぬ今後

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