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「中国脅威論」に惑わされるな

ロバート・ロス  ボストン・カレッジ政治学教授

Beijing as a Conservative Power

Robert Ross ボストン・カレッジの政治学教授で、ハーバード大学の東アジア研究所のリサーチ・アソシエート。近く、アンドリュー・J・ネイサンとの共著 "The Great Wall and the Empty Fortress: China's Search for Security"(仮題『万里の長城と空っぽの要塞──安定を求める中国の模索』)が刊行される予定。

1997年5月号掲載論文

現在の対中アプローチをめぐるさまざまな議論は、「過大評価された中国の戦略的能力」を前提として受け入れたうえで、中国側のさまざまな「意図」や目的を憶測し、それへの対応策を主張している点で、危険きわまりない。というのも、中国の軍事能力は実際にはいわれるほど強大ではなく、であればこそ、現在中国は穏健路線をとっているからだ。米国とアジアの同盟諸国にとっての東アジアにおける死活的な利益とは、「安定した地域的勢力均衡」を維持することにあり、また中国にとっても、国内資源を経済的基盤に重点的に振り向けるのを可能とする「現状」の維持は利益なのだ。われわれの政策の目標は、中国との共通利益に注目し、彼らが「地域的な安定のなかに見いだす利益をより堅固なものにすることで、グローバル秩序の安定に向けた中国側のコミットメントをいっそう強化すること」でなければならない。闇雲な中国脅威論は、懸念される事態を現実へと導く悪しき処方箋にすぎない。

  • 「中国の脅威」?
  • 暗黙の対中協調路線
  • なぜ中国海軍は強大となりえないか
  • 台湾、兵器拡散、領有権問題
  • 共通の利益に注目せよ
  • 相互利益とエンゲージメント政策

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©1997 by the Council of Foreign Relations, Inc.

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