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日本再生の鍵を握る「コーポレート・ジャパン」

マイケル・ハーシュ 『ニューズウィーク』誌国際版 ビジネスエディター(論文発表当時)
E・キース・ヘンリー MITシニア・リサーチ・アソシエート (論文発表当時)

The Unraveling of Japan Inc.: Multinationals as Agents of Change

Michael Hirsh 『ニューズウィーク』誌国際版のビジネスエディター。E. Keith Henry マサチューセッツ工科大学日本プログラムのシニア・リサーチ・アソシエート(肩書きは論文発表当時)。

1997年4月号掲載論文

外国への投資が増大する一方で、国内投資が低迷するという日本における現象の一部は、グローバルマーケットの強い求心力、そして、円高と成熟した日本経済への企業の対応として純粋に経済理論で説明できる。だが、この現象は一方で、企業側の日本政府に対する鋭い批判でもある。日本企業が外国への投資を増やし、進出しているのは、もはや神通力を失った硬直的な日本の経済システムから脱出するためにほかならない。グローバル市場の力学を見極め、自ら「日本株式会社」の遺産を放棄したこれら日本の「マルチナショナル企業」は、世界市場で見事な成功を収めている。この事実は、「日本がついに国際的な没価値状況を脱し、世界の一部となりつつあること」、そして、日本のマルチナショナル企業がその先鞭をつけていることを意味する。「日本株式会社」ではなく、グローバル市場の力学に応じて企業形態やトランスナショナルな提携関係を再編し、構築する能力をもつ、こうした企業が、日本経済の今後の牽引役を果たしていくことになるだろう。

  • 「空洞化」の実体
  • グローバル市場の要請
  • 「日本株式会社」再考
  • 消費者の反乱と価格破壊
  • 崩壊する旧システム
  • 多様化・柔軟化する企業提携
  • 今後の鍵を握るマルチナショナル企業

<「空洞化」の実体>

日本株式会社は解体しつつある。これまで長期にわたって利害を共有してきた日本の政府と巨大企業の立場は、いまや食い違いをみせ始めている。戦後日本の復興の誇りだった三菱、トヨタ、松下もいまでは多国籍企業化し、外国で幅広くビジネスを展開している。事実、1990年代に入ると、日本の最優良企業は、かつてないペースで外国へと生産拠点を移し始め、このトレンドは今後ますます勢いを増していくと思われる。

オフショア・プロダクション(外国生産)に先行する外国への資本投資は、この10年来急速なペースで拡大している。日本銀行が半年毎に発表するビジネス概況によれば、(外国資本投資の)増加率が初めて二桁台に達したのはやっと1993年になってからだとされているが、1996年にはおそらく30%を超えているはずだ。その一方で、国内への資本投資は大きな後れをとっている。・・・

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