CameraCraft / Shutterstock.com

危うしアジアのエネルギー資源

ケント・E・カルダー プリンストン大学政治学教授

Asia's Empty Tank

ケント・E・カルダーはプリンストン大学政治学教授で、ワシントンにあるCSIS(戦略国際問題研究所)の日本部長。専門は日米関係。最近の著作には、Pacific Defense: Arms, Energy, and America's Role in Asia(太平洋防衛:軍事、エネルギー、そしてアジアにおける米国の役割)がある。なお、本稿は(財)地球産業文化研究所から委託された調査研究にもとづいている。

1996年5月号掲載論文

アジアのエネルギー問題は、この地域での領有権論争、核拡散問題、軍拡路線に深く関連しており、これを純粋な経済問題とみなすのは間違いだ。なかでも中国のエネルギー需要の増大は、環境悪化だけでなく、海底資源をめぐる近隣諸国との対立、外洋型海軍力の増強路線、イランやイラクという中東とのコネクションの深まりなど、環境・政治・外交面での憂鬱な結末を招きかねない。エネルギー問題を、アジア・太平洋地域の不信と不確実性を先鋭化させる引き金とするのではなく、この問題への積極的な関与策、支援を通じて、日本、米国、そして大いなる暴発の危険性を秘めた大陸アジアとの協調の礎とすることが急務である。

  • 紛争の火種としてのエネルギー不足
  • 中国のエネルギー需要の拡大
  • 中東石油への依存の意味あい
  • 資源不足と軍拡競争
  • 原発のバランスシート
  • 対立から協調へ

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 1996 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top