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原爆投下は何を問いかける?

バートン・J・バーンスタイン
スタンフォード大学歴史学教授

The Atomic Bombings Reconsidered

James Surowiecki ニューヨーカー誌記者。著書に“The Wisdom of Crowds”(邦訳『「みんなの意見」は案外正しい』角川書店)がある。

1995年2月号掲載論文

原爆が戦争終結の時期を早めたという議論の根拠はとぼしく、「たとえ原子爆弾を投下していなくても、ソビエトの参戦によって、十一月前には日本は降伏していたかもしれない」。加えて、米国の指導者のなかで、一九四五年の春から夏の段階において、「五十万の米国人(将兵)の命を救うために」原爆を使用すべきだと考えていた者など一人としていなかった。広島や長崎への原爆投下を可能にしたのは、二十億ドルもの資金を投入したプロジェクトのもつ政治的・機構的勢い、そして、第二次大戦の熾烈な戦闘を通じて、(市民を戦闘行為に巻き込まないという)旧来の道徳観が崩れてしまっていたからにほかならない。この道徳観の衰退こそ、後における核兵器による恐怖の時代の背景を提供したのである。ドイツや日本の軍国主義者たちだけでなく、なぜ、米国を含む他の諸国の道徳観までもがかくも荒廃していたのか、この点にこそわれわれが歴史の教訓として学ぶべきテーマが存在する。

  • 原爆投下をめぐる道徳的疑問
  • 日本からドイツへの投下目標の変更
  • 使用するという前提
  • 何を攻撃目標とするのか
  • どのように使用するか
  • 民間人を犠牲者にすることへの懸念
  • 採用されなかった方策
  • なぜ投下され、何が問題だったのか

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