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北朝鮮は経済改革を模索している
―― 崩壊か経済改革か

ジョン・デルーリー 延世大学国際関係大学院准教授

Pyongyang Perseveres
―― Why Washington Should Learn to Work With North Korea

John Delury 延世大学国際関係大学院准教授。アジア・ソサエティーの米中関係センター、シニアフェロー。2013年1月、グーグルのエリック・シュミット会長が北朝鮮を訪問した際、代表団メンバーの一人として同行した。専門は中国と北朝鮮。

2013年8月号掲載論文

北朝鮮は2030年までに崩壊すると予測する専門家もいるが、平壌はすでに中国流の経済改革導入への道を歩みつつあるとみなすこともできる。これを理解するには、中国はどのような手順で改革へと歩を進めたかを考える必要がある。1960年代に核兵器を獲得した北京は、1970年代に対米デタントによって体制の安定と安全を確保した上で、経済改革路線を優先させるようになった。つまり、今日の北朝鮮は1970年の中国同様に、経済改革に着手する前に、まずワシントンから体制の安全に関する保証を取り付けたいと考えている段階にある。金正恩は「経済建設」の次の局面に進みたいと考えていると示唆し、4月1日には実務派テクノクラートの朴奉珠を首相に登用して、経済成長の舵取りを委ねている。朴奉珠が北朝鮮の首相に抜擢されたこと自体、金正恩が経済を重視し、改革志向を持っていることの現れとみなせる。平壌の穏健派に力を与えるためにも、アメリカは強硬策ではなく、北朝鮮の安全を保証し、経済改革にむけた環境整備に手を貸すべきだ。体制を揺さぶり、崩壊を待つ路線を続ければ、偶発事件によって次なる朝鮮戦争が誘発される恐れがある。

  • 一触即発の朝鮮半島
  • ソビエトの視点でみた北朝鮮
  • 崩壊シナリオ
  • 金正恩の経済改革志向
  • 北朝鮮の不安を取り除け

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