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対ロ経済制裁と日本のジレンマ
―― 制裁で変化するアジアのパワーバランス

対ロ経済制裁と日本のジレンマ
―― 制裁で変化するアジアのパワーバランス

(2014年9月号)
イーライ・ラトナー/ニューアメリカンセキュリティ研究所シニアフェロー
エリザベス・ローゼンバーグ/ニューアメリカンセキュリティ研究所シニアフェロー

ウクライナ危機がさらに深刻化すれば、ワシントンはモスクワに対する制裁措置をさらに強化するかもしれない。しかし、ロシアを孤立させるための経済制裁は、必要以上に大きなコストをヨーロッパだけでなく、アジアの同盟国にも強いることになる。そうした対ロシア関係のバランスの崩壊にもっとも苦しんでいるのが日本だ。ワシントンは、ウクライナ危機をきっかけにロシアと中国が関係を深めていくことを懸念している。しかし、そのような事態を避けたいのなら、インド、日本、ベトナムなどの中国を潜在的敵対国とみなしている諸国が、ロシアと良好な関係を育んでいけるように配慮すべきだ。いかなる尺度でみても、「弱体化した日本」と「強固な中ロ関係」という組み合わせが、アメリカにとって好ましいものになることはあり得ないのだから。


ロシア、中国どちらが脅威なのか
―― ロシア、中国と新しい外交課題

(2014年7月号)
ロバート・ゲーツ/元米国防長官

中ロが、われわれとの紛争を起こすようなスタイルで挑戦を挑んでくることはないが、アメリカが外国への関与を躊躇っているとみなされたり、(空爆を表明しながらも、結局は不作為を決め込んだ)シリアのケースのように厳しい決定を下すのを回避したりすれば、自分たちのナショナリスティックなアジェンダを模索するチャンスがあると考える。そしてひとたび行動を起こせば、それは自律的にエスカレートしていく。防空識別圏の設定、単なる監視船ではなく、戦闘機まで投入し始めた尖閣諸島をめぐる対日アプローチの激化、そして南シナ海における石油掘削プラットホームの設置に象徴される、この18カ月から2年間の中国の攻撃的なアプローチを、私はこの文脈で捉えている。2年前なら、それがいかなる規模であれ、日中間の軍事衝突を現実に想定する者は誰もいなかったはずだ。しかしいまやそうした衝突が現実に想定されている。これは事態がいかに変化したかの証拠だろう。危険は高まっている。


米中露・新戦略トライアングルで何が変わるか
(2014年7月号)
デビッド・ゴードン/ユーラシアグループ グローバルマクロ分析ディレクター
ジョーダン・シュナイダー/ユーラシアグループ リサーチャー

冷戦期を思わせる戦略トライアングルが再び復活しつつある。冷戦期の米中ロ戦略トライアングルを巧みに利用したのはアメリカだったが、今回のトライアングルで強い立場を手にしているのは中国だ。北京は、ウクライナ危機に派生する米ロ対立をうまく利用できる立場にある。中国はロシアからのエネルギー供給を確保するだけでなく、ロシア市場へのアクセスの強化、ロシアからの軍事技術の供与を望んでいる。もちろん、戦略トライアングル内部の対立構図をはっきりと区分できるわけではない。中国にとってアメリカは依然として重要な経済パートナーだし、住民投票で国境線を変えたロシアのやり方を、国内に大きな火種を抱える中国が認めることもあり得ない。だがそれでも、この新環境のなかで大胆になった中国が、現在の東アジアにおける地域バランサーとしての役割をアメリカが遂行していくのを難しくするのは避けられないだろう。・・・

Photo/Courtesy Reuters

経済制裁を発表した後、ワシントンは中国、日本、シンガポール、韓国に外交官を派遣し、アジアのパートナーたちに対ロシア制裁への協力を要請した。ウクライナ危機を前提に考えれば、この流れは合理的かもしれない。・・・しかし最終的には、ロシアを孤立させる路線は必要以上に大きなコストをアメリカの同盟国に強いることになる。(ラトナー/ローゼンバーグ)

中国に対して効き目のあるやり方が一つだけある。中国の主張に対して各国が集団的に異議を唱えた場合だ。・・・クリントン国務長官(当時)がハノイで開かれたASEANの外相会議に出席したとき・・・南シナ海における中国の強引な行動を非難して、東南アジアの7―8国の代表たちが中国外相に詰め寄る一幕があった。このとき、中国の外相は激怒し、我を忘れてしまった。(ゲーツ)



最新号9月号から




 





 

 

中国を揺るがす水資源危機
サルマーン・カーン

1950年代以降、中国では2万7000の河川が枯渇し、消滅している。世界の人口の約5分の1の水資源需要を満たさなければならないのに、世界の水資源の7%しか中国には存在しない。安価で潤沢な労働力に依存している中国の成長モデルは、一方で中国大陸の水資源を左右する生態系さえも大きな圧力にさらしている。もはや経済モデルを見直し、エコロジーバランスの回復を優先課題に据えるしかない。現在の政策を見直さない限り、中国社会はいずれ深刻な社会不安に陥り、水資源を軸に南部と北部が対立し、下手をすると内戦へと向かう恐れさえある。




 



 

 

 

物質主義と社会的価値の崩壊
―― なぜ中国で宗教が急速に台頭しているか

ジョン・オズバーグ

急速な経済成長という環境のなかで、人々は信仰やイデオロギーよりも、現実主義、そして物質主義に浸りきった。だが豊かにはなったが、人々はどこか薄っぺらな時代のなかで絶え間ない不安にさらされている。いまや中国人の多くは自らの人生に意義や価値を見いだそうとし、キリスト教やチベット仏教に帰依する人も多い。問題は、共産党が物質的に快適な生活だけでなく意義のある生活を求める声に対応する準備ができていないことだ。








 

 

 

エボラ・アウトブレイク
――感染の封じ込めを阻むアフリカの政治と文化

ジョン・キャンベル
ローリー・ギャレット

感染者が大量に出血しているときには、内部だけでなく、体外にも出血する。目、鼻、口、肛門、性器などのあらゆる部分から出血し、体液が出てくる。これらにウイルスが含まれている。この意味で、感染者の隔離、遺族たちが死体と接触しないようにすること、土葬ではなく火葬にすることなどが重要だ。・・・だが現地の文化的伝統・風習がこれを阻んでいる。





Agenda and Current Issues
2014.09.09更新

Focal Points(過去のトップページ特集)

米金融政策の国際的衝撃
―― 最近の掲載論文より
 
イスラム国への対抗戦略
―― 空爆を支える外交戦略を検証する
 
スコットランドの独立
―― 「独立にイエス」の可能性は
 
ロシアと欧米の衝突
―― 概念対立と経済相互依存のジレンマ
 
日本のエネルギー安全保障
―― 対ロ経済制裁、シェール革命、原発
 
経済予測はなぜ判断を誤るか
―― 経済成長を促す政治ファクターに目を向けよ
 
特集
変化するヨーロッパの基本構造
(9月号プレビュー)
 
「イスラム国」の衝撃
―― 包括的空爆作戦の実施を
(9月号プレビュー)
 

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悪いのはロシアではなく欧米だ
―― プーチンを挑発した欧米のリベラルな幻想

 
ジョン・ミアシャイマー
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イーライ・ラトナー
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政治的期待と市場の熱狂
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キリスト教民主主義の衰退と ヨーロッパ統合の未来
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「イスラム国」の衝撃
―― 包括的空爆作戦の実施を
  バラク・マンデルソーン
レバノン化する中東
―― 重なり合う宗派主義と地政学の脅威
  バッサル・F・サルーク
物質主義と社会的価値の崩壊
―― なぜ中国で宗教が急速に台頭しているか
  ジョン・オズバーグ
 
他全15本掲載
論争 ブラジル経済の将来
シリア内戦の現状を問う
―ポストアメリカ時代へ向かう中東
ロシアの戦略とウクライナ東部 ―― 流れは国家内国家へ
プーチンの戦略とヨーロッパの分裂
金融政策と財政政策の間
―― イギリスの失策から何を学ぶ
緊縮財政という危険思想
「イスラム国」の次なるターゲット ―― 欧米はテロに備えるべきだ
ガザ地区封鎖の解除を ―― 第3次インティファーダを回避するには
エボラ・アウトブレイク ――感染の封じ込めを阻むアフリカの政治と文化
変化した日本の政治とナショナリズム
トルコのソフトパワーと中東
―― ギュル大統領との対話
米大企業CEO巨額報酬の謎に迫る
民主主義の道徳的危機
感情の衝突 ―― 恐れ、屈辱、希望の文化と新世界秩序
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