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新しい現実と思想
―― 国民国家とソフトパワー
(最新号4月号より)

21世紀における 思想とソフトパワー
―― 中国、ロシア、中東革命

(2015年4月号)
ジョセフ・S・ナイ / ハーバード大学教授

他国の人々を魅了するソフトパワーという点では、現状でアメリカと競い合える国はない。なぜ27万の中国人学生がアメリカの大学で学んでいるのだろうか。なぜ習近平は娘をハーバードで学ばせたのか。・・・1930年代にヒトラーはアメリカとはまったく違う思想で他を魅了しようとした。スターリンも冷戦を共産主義思想で捉えることで他を魅了しようと考えた。イスラム国も部分的に他を魅了する思想を語ることで中東における深刻な脅威を作りだしている。・・・ プーチンも習近平も、自国のソフトパワーについて多くのことを語っている。だが2人とも、それをどう利用すればよいかが分かっていない。 ・・・アジア地域では大きなワシントンの政策変更はないだろう。今後2年でヨーロッパへの政策が変化するとも思わない。だが、中東はかつてのヨーロッパにおける30年戦争を思わせる大きな混乱のなかにある。過剰でも過小でもないどの程度の介入をアメリカが行うかが重要になる。イスラム国がいなくなっても、別の似た組織が登場するだろう。結局のところ、中東はボトムアップ型の奥深い革命を経験している。決着がつくまでには20−30年の時間が必要になるだろう。・・・ (聞き手、イアン・ブレマー ユーラシアグループ会長)



新しい現実と主権国家の行方
―― ウエストファリアとキッシンジャーの世界

(2015年4月号)
ウォルフガング・イッシンガー / 元駐米ドイツ大使

中東ではシリア内戦によって数十万人が犠牲になり、いまやジハード主義勢力が中東全域を脅かしている。アジアでも、経済的台頭を遂げた中国が強硬路線をとるようになり、近隣諸国はこの動きを警戒している。西アフリカではエボラ出血熱が数カ国を機能不全に追い込んでいる。ルールを重んじ、もっとも制度化が進んでいるヨーロッパのリベラルな規範も、プーチン大統領が軍事的侵略をロシアの国策として復活させたことで、大きな圧力に晒されている。一方、これまでにグローバル秩序の擁護者の役割を果たしてきた欧米、特にアメリカがその役割を果たすことを躊躇っている。しかも、台頭途上にある新興大国は、これまでのところ国際的安定を擁護していく意思も能力ももっていない。キッシンジャーなら、この現状をどう考えるだろうか。


中東の混乱と革命はあと30年続く
―― 30年戦争と中東革命の共通点

(2015年4月号プレスリリース)

 ヘンリー・キッシンジャーとジョセフ・ナイという二人の外交専門家が、ともに中東の混乱を、ヨーロッパでウエストファリアシステムが誕生する前の30年戦争に例えている。  キッシンジャーは「国家が部族主義と宗派集団へ分裂していけば、中東地域は、ウエスファリアシステムが誕生する前の宗教戦争的対立に・・・覆い尽くされる」と指摘し、ジョセフ・ナイも「中東はかつてのヨーロッパにおける30年戦争を思わせる混乱のなかにある」と述べている。  それだけではない。米外交問題評議会のリチャード・ハースも、現在の中東では17世紀のヨーロッパ同様に、暴力的な政治・宗教抗争が国境線を越えて展開されていると指摘し、この状態が30年間、あるいはそれ以上続くと指摘している。




Photo/Wikimedia Commons

中東はかつてのヨーロッパにおける30年戦争を思わせる大きな混乱のなかにある。過剰でも過小でもないどの程度の介入をアメリカが行うかが重要になる。イスラム国がいなくなっても、別の似た組織が登場するだろう。結局のところ、中東はボトムアップ型の奥深い革命を経験している。決着がつくまでには20−30年の時間が必要になるだろう。・・・(ナイ)

主権と内政不干渉の原則という伝統的な概念が今でも秩序を維持していく上でもっとも重要であり、この二つが国際システムを4世紀にわたって支えてきたのは事実だろう。しかし、パワフルなアクターが神権政治体制や権威主義的資本主義という代替アプローチをとり、ポストモダン世界のボーダーレス化が進むにつれて、いまや国際システムは流動化しつつある。(イッシンガー)

ヘンリー・キッシンジャーとジョセフ・ナイという二人の外交専門家が、ともに中東の混乱を、ヨーロッパでウエストファリアシステムが誕生する前の30年戦争に例えている。キッシンジャーは「国家が部族主義と宗派集団へ分裂していけば、中東地域は、ウエスファリアシステムが誕生する前の宗教戦争的対立に・・・覆い尽くされる」と指摘し、ジョセフ・ナイも「中東はかつてのヨーロッパにおける30年戦争を思わせる混乱のなかにある」と述べている。 (4月号プレスリリース)



4月号より











解体したヨーロッパ市民社会
―― 多文化主義と同化政策はなぜ失敗したか

ケナン・マリク

多文化主義と同化主義は、社会の分裂に対する二つの異なる政策処方箋だが、結局、どちらもヨーロッパの社会状況を悪化させてきた。英独は多文化主義政策を、フランスは同化政策を導入した・・・多文化主義と称してコミュニティをそれぞれの箱に閉じ込めるか、同化主義と称してマイノリティを主流派から疎外してきた。この政策が分断を作り出してしまった。

 








原油安の地政学的意味合い
――ロシア、サウジ、イラクの未来

マイケル・グフォーラー 、 デービッド・ゴールドウィン

サウジアラビア市民はサウド家の支配を受け入れる代わりに、かなりの恩恵が供与されることを当然視している。電力と水資源の供給、医療と大学レベルの教育、これらのすべてが無償で提供されている。原油安によってこれら無償の社会サービスが有償化されれば、王国の政治ダイナミクスは根本的に変化する。(M・グフォーラー)








北朝鮮に接近するプーチンの思惑
―― 米ロ対立の変数としての北朝鮮
バン・ジャクソン

ロシアと北朝鮮の同盟関係の再生が進みつつある。だが、両国の関係が改善しているのは、モスクワが朝鮮半島に経済利益を見出しているからではない。ロシアとアメリカの関係が悪化しているからだ。





Focal Points(過去のトップページ特集)

少子高齢化で
危機にさらされる社会契約
すべての道は北京に通ず
―― 習近平のビジョンは砂上の楼閣か
ロシアとプーチンの命運
―― 民衆蜂起、クーデター、
分離独立運動?
米エリート大学の嘆かわしい現実
―― 失われた人間教育と
格差の拡大
「中東革命」の実相
――イエメン、リビアの内戦
(最新号4月号より)
21世紀における思想とソフトパワー
原油安の地政学的意味合い 、他
(4月号プレビュー)
新しい現実と主権国家の行方
―― キッシンジャーの世界
(4月号プレビュー)
特集 北東アジアの戦略地政学
(4月号プレビュー)

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最新号のご案内

 

新しい現実と主権国家の行方
―― ウエストファリアとキッシンジャーの世界

 
ウォルフガング・イッシンガー
<CFR Interview>
21世紀における思想とソフトパワー
―― 中国、ロシア、中東革命
 
ジョセフ・S・ナイ
<CFR Meeting>
原油安の地政学的意味合い
――ロシア、サウジ、イラクの未来
  マイケル・グフォーラー、 デービッド・ゴールドウィン、
アンジェラ・ステント、マイケル・レビ
<CFR Interview>
内戦への道を歩むイエメン
――シーア派系フーシ派の目的は何か
  エイプリル・ロングレー・アレイ
中国をいかに抑止するか
―― 拒否的抑止と第1列島線防衛
  アンドリュー・F・クレピネビッチ
日韓関係の修復はできる
―― 問題は歴史ではなく、安全保障領域にある
  ジェニファー・リンド
中国経済はなぜ失速したか
―― 新常態を説明する二つの要因
  サルバトーレ・バボネス
為替操作と貿易合意
―― 米議会と環太平洋パートナーシップ
  C・フレッド・バーグステン
 
他全13本掲載

すべての道は北京に通ず
プーチン・システムの黄昏
アジアインフラ投資銀行の挑戦
――国際経済秩序への挑戦、それとも協調
レバノン化する中東
―― 重なり合う宗派主義と
地政学の脅威
小国の巨人
――リー・クアンユーの遺産
文化は宿命である
もし女性が世界政治を支配すれば
「歴史の終わり」の後の新世界地図
北東アジアにおける歴史戦争
―― アメリカの関与がなぜ必要か
ドイツの覇権という虚構
――追い込まれたベルリン
欧米の政治危機とポピュリズムの台頭
―― 生活レベルの停滞と国家アンデンティティ危機
論争 悪いのは欧米かロシアか
―― ウクライナ危機の本質は何か
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