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先進国と民主主義を揺るがす中間層の衰退
― 新保守主義と福祉国家モデルでは問題を解決できない
(フォーリン・アフェアーズ・リポート1月号、2月号)

 

中間層を支える思想とイデオロギーを
― 歴史の未来
(2012年2月号掲載)
フランシス・フクヤマ/スタンフォード大学シニアフェロー

マルキストが共産主義ユートピアを実現できなかったのは、成熟した資本主義社会が、労働者階級ではなく、中産階級を作り出したからだ。しかし、技術的進化とグローバル化が中産階級の基盤をさらに蝕み、先進国社会の中産階級の規模が少数派を下回るレベルへと小さくなっていけば、民主主義の未来はどうなるだろうか。問題は、社会民主主義モデルがすでに破綻しているにも関わらず、左派が新たな思想を打ち出せずにいることだ。先進国社会が高齢化しているために、富を再分配するための福祉国家モデルはもはや財政的に維持できない。古い社会主義がいまも健在であるかのように状況を誤認して、資本主義批判をしても進化は期待できない。問われているのは、資本主義の形態であり、社会が変化に適応していくのを政府がどの程度助けるかという点にある。


中間層の衰退と先進国の衰退
― 漂流する先進民主国家
(2012年1月号)
チャールズ・クプチャン/米外交問題評議会シニア・フェロー
すでに日本は、終身雇用と年金で企業が従業員を支える伝統的な社会契約を維持できなくなってきている。この20年間で日本の中産階級の所得レベルは低下し続け、社会格差は拡大し、1980年代は7%だった貧困率が2009年には16%へと上昇した。1989年当時、一人あたりGDPの世界ランキングで日本は4位につけていたが、2010年には24位へと転落している。・・・アメリカでもこの10年にわたって、家計の平均所得は10%低下し、一方、所得格差は着実に広がり、アメリカは先進国のなかでもっとも格差の大きな社会になっている。


なぜ中間層の衰退が起きているか
― 先進国の貿易財部門の空洞化
(2011年7月号)
マイケル・スペンス/米外交問題評議会特別客員フェロー
経済が成長すれば雇用も増大すると考えられてきた。だが、現在のグローバル経済の構造的進化とそれが経済に与える影響によって、いまや、経済成長と雇用創出は連動しなくなってしまった。主要な新興市場国が、半導体の設計と製造、医薬品、情報技術サービスなど、これまで米経済(や先進国)が支配的な強さをもっていた領域でより大きな競争力をもつようになったからだ。同時に、先進国では、雇用が創出される産業が急成長を遂げる産業から、それほど成長していない産業へとシフトし始めている。その結果、所得と雇用の格差が広がり、高度な教育を受けた人材がより多くの機会を手にする一方で、あまり教育を受けていない労働者の雇用機会は減少し、賃金・所得レベルの停滞という現実に直面している。


2012.1.17.更新




「マルクスは、中産階級、少なくとも資本家階級は、近代社会における特権マイノリティであり続けると考えた。だが、実際には、主要先進国ではブルジョワ階級と中産階級が人口の過半数を占めるようになり、これが、社会主義の行く手に問題を突きつけた」・・・だがいまや、技術的進化とグローバル化が所得格差を広げ、中産階級の基盤を蝕み、民主主義を脅かしつつある。(写真左はカール・マルクス、右はニューヨークでの反ウォール街デモの様子)

関連論文



民主主義の奇妙な勝利と挫折 (2012年2月号掲載)
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問題に対応できない日本
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 (2011年9月号)
エリック・ヘジンボサム、エレイ・ラトナー、リチャード・サミュエルズ

問題は(日本の)政治家の政策立案能力がまだ十分でないことだ。改革によって(官僚主導から政治主導への)制度上の明確な権限移譲が実現するどころか、む しろ政治家の抗争、政治家と官僚の抗争が誘発され、その結果、権力の空白が生じ、政府の政策決定能力が損なわれている。・・・・


最近のニュースより

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米大統領が一般教書演説、富裕層の税負担拡大求める (1月25日)
ロイター


31年ぶりに貿易赤字、震災や円高で輸出低迷−昨年2兆4927億円(1月25日)
ブルームバーグ


野田首相 施政方針演説要旨(1月24日)
「分厚い中間層を復活させるためにも・・・」
時事通信
 

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