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2014年を回顧するパート5
――北東アジアにおけるナショナリズムの衝突

変化した日本の政治とナショナリズム
(2014年5月号)
マルガリータ・エステベズ・アベ/ シラキュース大学政治学部准教授

安倍首相の人気の高さと政治的影響力のどの程度が、ナショナリスティックな外交政策を求めるようになった日本の大衆の立場の変化を映し出しているのかは分からない。たしかに、尖閣問題もあって、2012年には、日本人の81%が中国には親近感がないか、どちらかといえばそうした感情を覚えないと答えている。安倍首相がこれまでの政治キャリアを保守主義や国家主義に即して積み上げてきたのも事実だ。だが、ナショナリスト路線を検証するには選挙制度改革が作り出した政治環境、普通の国への道筋をめぐる論争、そして中国の台頭が与えている影響も考える必要がある。選挙制度改革の結果、野心的な政治家が重要な国家アジェンダに特化できる環境が作り出され、国家安全保障とそれに付随するナショナリズムが有権者への訴求力を持っていることにいち早く気づいたのが自民党の政治家たちだった。・・・・


衝突する日韓の自画像
―― 未来志向の日韓共同宣言を

(2014年3月号)
スコット・スナイダー/ 米外交問題評議会シニアフェロー(朝鮮半島担当)

この60年で韓国は近代化と民主化を見事に実現したが、20世紀初頭の40年間にわたって堪え忍ばざるを得なかった日本による植民地支配の記憶が、韓国の国家アイデンティティの中枢にいまも位置づけられている。この歴史的経験ゆえに、韓国のアイデンティティは反日という枠組みで長く規定されてきた。日本も被害者意識をもっている。第二次世界大戦における敗戦と原爆投下、そして(東京裁判に象徴される)戦時の行動に関する戦後の解釈をめぐって差別されてきたと考えている。こうした自画像が日本人のアイデンティティを複雑にし、侵略者として自らを認識できずにいる。・・・二つの自画像が重なり合うことで政治が動き、その相互作用によって自らが好む歴史解釈が強化され、領土問題への対応は硬直化していく。・・・この状況で欠落しているのは両国の政治家のリーダーシップに他ならない。


北東アジアにおける歴史戦争
―― アメリカの関与がなぜ必要か

(2014年5月号)
ギウク・シン/スタンフォード大学教授(社会学)
ダニエル・C・シュナイダー/ スタンフォード大学アジア太平洋研究センター アソシエート・ディレクター

第二次世界大戦に由来する未解決の歴史問題が、北東アジアの地域的緊張の背景に存在する。歴史問題が日本と韓国というアメリカの主要な同盟国を反目させ、日本と中国のライバル関係を再燃させている。だが、この現状をめぐって、東アジアの戦後秩序を形作ったアメリカにも責任があることを認識する必要がある。アメリカは、冷戦という特有の環境のなかで戦後処理を行い、以来、状況を放置してきた。日本は「ドイツがいまも謝罪の必要性を認識し、自己検証の試みを続けていること」から教訓を学ぶ必要があるし、アメリカも戦争と過去に正面から向き合い、米大統領はヒロシマあるいはナガサキを訪問し、日本に原子爆弾を投下した結果、非常に多くの人命が奪われたことに対する自らの考えを示すべきだ。そうしない限り、北東アジアの歴史問題にアメリカが介入することは正当化できない。・・・・


Photo Couresy / Reuters

選挙制度改革の結果、野心的な政治家が重要な国家アジェンダに特化できる環境が作り出され、国家安全保障とそれに付随するナショナリズムが有権者への訴求力を持っていることにいち早く気づいたのが自民党の政治家たちだった。(エステベズ・アベ)

日本による植民地支配の記憶が、韓国の国家アイデンティティの中枢にいまも位置づけられている。日本も被害者意識をもっている。第二次世界大戦における敗戦と原爆投下、そして(東京裁判に象徴される)戦時の行動に関する戦後の解釈をめぐって差別されてきたと考えている。こうした自画像が日本人のアイデンティティを複雑にし、侵略者として自らを認識できずにいる。(スナイダー)



関連論文


 











岐路にさしかかった日本の外交・安保政策
―― 変化した国際環境で問われる日米同盟の価値

ジェラルド・L・カーチス

日本は、外部の国際環境を所与のものとみなすことで、日本人が「時流」とよぶ国際的な流れに乗るために、現実的な調整を試みてきた歴史を持っている。そしていまや、中国の台頭、北朝鮮の核開発、アメリカの経済的苦境という国際環境の変化を前に、「東アジアにおけるアメリカの軍事的優位はどの程度続くのか」という疑問を抱いた日本人は、これまでの計算を見直しつつある。









経済相互依存で日中紛争を抑え込めるか
―― ナショナリズムかそれとも貿易か
リチャード・カッツ

重要なポイントは、日中の経済的相互依存が紛争のリスクを抑え込めるかどうかだろう。安倍晋三首相が、2012年の選挙キャンペーンで表明した強硬路線を手控えているのは、日本が経済的に中国に依存していることで、ある程度説明できる。








 

 

日本の新安全保障戦略の真意はどこに
J・バークシャー・ミラー

日本の国家安全保障戦略が右傾化していると騒ぎ立てるのは間違っている。安倍首相の挑発的な靖国神社参拝は問題があるが、政府が試みている安全保障改革と首相の個人的な見解を混同すべきではない。新戦略や日本版NSCは、中国問題だけでなく、幅広い分野において迅速に重大な国家安全保障上の決定を下すために不可欠なツールだ。




Agenda and Current Issues
2014.10.05更新

Focal Points(過去のトップページ特集)

改革なき緊縮財政の悲劇、他
(12月号から)
2014年を回顧するパート4(5月)
―― 甦った地政学と欧米秩序の未来
2014年を回顧するパート3(4〜5月)
―― プーチンの新ユーラシア主義思想
中国とロシアによる反欧米同盟
―― 米中露・新戦略トライアングルで何が変わるか
なぜイスラム国は拡大し続けるのか
(最新号12月号より)
 
2015年、世界エネルギー市場は
どう変化するか
 
アベノミクスとシルバー民主主義
(12月号 Subscriber's only より)
 
新冷戦の起源
―― 悪いのは欧米かロシアか
(12月号プレビュー)

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証言、いかに冷戦は終結したか
―― ドイツ再統一とNATO加盟問題

 
ロバート・ブラックウィル、ビタリー・チュルキン、フランク・エルベ
論争 悪いのは欧米かロシアか
―― ウクライナ危機の本質は何か
 
マイケル・マクフォール、 スティーブン・セスタノビッチ、
ジョン・ミアシャイマー
ギリシャを搾取したオリガークたち
―― 改革なき緊縮財政の悲劇
  パブロ・エレフセリアディス
アメリカのエネルギー資源輸出
―― その幻想と現実
  モハンマド・アリ・セルギー
再び原油価格変動の時代へ
―― 原油価格の低下は何を意味するか
  ロバート・マクナリー、 マイケル・レビ
中東ではなく、中ロの脅威を重視せよ
―― 欧州と東アジアの同盟国をいかに守るか
  リチャード・ベッツ
シリア紛争への直接的軍事介入?
―― 踏み込むべきか、踏みとどまるべきか
  スティーブン・サイモン
イスラム国とイラクの現実
  ジェーン・アラフ
 
他全15本掲載
シェール革命で変化する エネルギー市場と価格
地政学的戦略リスクを検証する
ロシアとの新冷戦を管理するには
北朝鮮の崩壊を恐れるな
ゾンビー・アベノミクス
カスピ海資源をめぐるロシアと欧州の攻防
クリミアとロシアのアイデンティティ
変化する中東の経済地図
トルコ国境とシリア内戦
政治的正統性の危機
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シリア紛争への直接的軍事介入?
―― さらに踏み込むべきか、現状で踏みとどまるべきか
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――追い込まれた経済と未来
米軍部隊の投入は避けられない?
――シリア・イラクにイスラム国に
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欧州における反移民感情の台頭
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