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米軍部隊の投入は避けられない?
――シリア・イラクにイスラム国に対抗できる集団は存在しない
(11月号プレビュー)

米軍部隊の投入は避けられない?
――シリア・イラクにイスラム国に対抗できる集団は存在しない


フレデリック・ホフ/前米政府シリア問題担当特別顧問

イラクには一定の戦闘能力をもつ軍事アセットは存在するが、イスラム国に対抗していく力はもつ集団は存在しない。シリアの自由シリア軍もアサドのシリア軍とイスラム国勢力の双方から攻撃を受け、大きな圧力にさらされている。最優先課題はイスラム国とシリア軍の双方を相手に戦いを続けている自由シリア軍を中心とするナショナリスト勢力を支援することだ。彼らが力を失えば、われわれは非常に深刻なジレンマに直面する。シリアの主要な部隊は(ともに欧米が敵視する)シリア軍とイスラム国の部隊だけになってしまうからだ。・・・トルコ政府はクルド労働者党(PKK)とシリアの「民主統一党」(PYD)をともにテロ集団とみなしているために、有志連合への参加に二の足を踏み、イスラム国に包囲されたコバニ情勢を静観している。これが国内のクルド人の反発を買っている・・・今後、イラクとシリアのいずれにおいても力強い地上戦力が存在しないことが大きな問題として浮上してくる。オバマ政権は「地上軍は送り込まない」と主張してきたが、いずれこの立場を再検討せざるを得なくなるだろう。


トルコとクルド人のジレンマ
―― イスラム国と軍とクルド人問題

(2014年11月号)
ハリル・カラベリ/中央アジア・カフカス研究所 シニアフェロー

イスラム国が作り出すトルコ・シリア国境地帯の混乱を前に、トルコ国内の政治バランスは崩れ、いまや軍部が大きな力をもちつつある。一方で、政府と国内のクルド人勢力との和平プロセスはいまや破綻しかねない状況にある。「シリアのクルド人に対するイスラム国の攻撃にトルコ政府は水面下で加担している」とみなす国内のクルド人若者の怒りはピークに達している。一方、国境地帯の混乱を前に、エルドアンは国内のクルド人の動きを警戒するトルコ軍の見方と提言に配慮せざるを得ない状況にある。トルコ軍は軍のレッドラインが「トルコ国家の統合と領土保全を守ること」であることを改めて強調している。これはシリアとの国境線だけでなく、「クルド人に自治権を与えることを軍は認めない」というメッセージに他ならない。トルコは一体どこへ向かうか。その多くはクルド人が「政治的連帯」のパートナーをどこに求めるかで左右される。


シリア問題に揺れるトルコ
(2014年11月号)
マイケル・J・コプロ―/イスラエル・インスティチュートプログラム・ディレクター

公正発展党(AKP)政権による統治はトルコにかつてない安定をもたらした。経済成長を実現し、国内のクルド問題への対策をとったことが、こうした安定化に大きく貢献した。AKP支持者でないトルコ人も、現状からみて、「テロや暗殺、軍事クーデター、制御できないインフレの時代は遠い過去へと過ぎ去った」と考えてきた。しかし、イスラム国の台頭によって、シリアとの国境地帯が極度の混乱に陥っているために、こうした安定が大きく損なわれつつある。イスラム国がトルコを直接的に脅かすことはないとしても、シリア難民の流入に派生する経済的重み、国境地帯でのイスラム国とクルド人の戦闘に軍を投入しようとしない政府へのクルド人の反発、ナショナリズムの復活、そして説明責任を負わない情報機関の権限の濫用などがトルコを次第に不安定化させつつある。・・・


Photo/Courtesy Reuters

・・・今後、イラクとシリアのいずれにおいても力強い地上戦力が存在しないことが大きな問題として浮上してくる。オバマ政権は「地上軍は送り込まない」と主張してきたが、いずれこの立場を再検討せざるを得なくなるだろう。(ホフ)

イスラム国が作り出すトルコ・シリア国境地帯の混乱を前に、トルコ国内の政治バランスは崩れ、いまや軍部が大きな力をもちつつある。一方で、政府と国内のクルド人勢力との和平プロセスはいまや破綻しかねない状況にある。「シリアのクルド人に対するイスラム国の攻撃にトルコ政府は水面下で加担している」とみなす国内のクルド人若者の怒りはピークに達している。(カラベリ)



最新号10月号より


 










感染拡大を防ぐには隔離しかない

ローリー・ギャレット

これまで感染拡大は地方での現象だったが、いまや都市部での感染が拡大している。さまざまな環境で人から人への感染が起きており、非常に深刻な局面を迎えている。感染者を隔離しない限り、感染拡大は阻止できない。・・・ワクチンがあと1−3年で開発されるかもしれないが、おそらく医薬品で感染拡大を阻止するのは難しいだろう。












エボラ感染者を救うには
―― アメリカの対応は間違っている
キム・イ・ディオン

エボラウイルスに感染したアメリカ人を担当した主治医たちは、注意深い観察、失われた水分とミネラルの投与を含む「積極的な支持療法」が回復の決め手だったと考えている。西アフリカの人々が必要としているのもまさにこの「積極的な支持療法」だろう。問題は、こうしたケアを提供するには、より優れた医療施設が必要であるにも関わらず、ギニア、リベリア、シエラレオネでこれらの医療施設が不足していることだ。








 

 

同性愛者に優しく、労働者に冷たい社会
――アメリカの左派運動の成功と挫折
マイケル・カジン

著名人が同性愛者に差別的な発言をしたニュースが瞬く間にインターネットで広がることからも明らかなように、現代のアメリカ社会は同性愛者の権利については敏感に反応する。一方、労働組合が衰退していることもあって、経済的平等の実現に向けた意識は低い。文化活動を通じた社会変革活動は、多くのアメリカ人にアピールし、いまやレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(LGBT)の権利を認めることを求めてきた左派の運動は、次々と大きな勝利を収めている。・・




Agenda and Current Issues
2014.10.05更新

Focal Points(過去のトップページ特集)

香港と中国民主化の行方
―― 暴力は体制変革の効果的手段ではない
イスラム国と中東の未来、
ヨーロッパにおける首都と地方の対立、他
(最新号10月号より)
地政学の復活と崩壊する秩序
(11月号プレビュー)
北朝鮮の崩壊
――そのリスクと恩恵をどう捉えるか
イスラム国はなぜ拡大・
膨張し続けるのか
―― ハイジャックされたアルカイダの
イスラム国家構想
 
漂流するヨーロッパ
―― イスラム国と軍とクルド人問題
 
トルコ政府のジレンマ
―― イスラム国と軍とクルド人問題
 
イスラム国を検証する、
問われるヨーロッパの自画像、他
(最新号10月号より)
 

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イスラム国と中東の未来

 
エド・フサイン
ジャニーヌ・デビッドソン
ジョナサン・マスターズ
空爆を支える外交戦略とは
 
リチャード・ハース
イスラム国の台頭で変化する米・イラン関係
―― デタントのチャンスを生かせるか
  モフセン・ミラ二
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―― 生活レベルの停滞と国家アイデンティティ危機
  ヤシャ・モンク
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―― ユダヤ人とイスラム教徒
  ヤシャ・モンク
「イスラム国」を検証する
―― ルーツ、財源、アルカイダとの関係
  ザカリー・ローブ
ジョナサン・マスターズ
感染拡大を防ぐには隔離しかない
  ローリー・ギャレット
同性愛者に優しく、労働者に冷たい社会
―― アメリカの左派運動の成功と挫折
  マイケル・カジン
 
他全15本掲載
米軍部隊の投入は避けられない?
――シリア・イラクにイスラム国に
対抗できる集団は存在しない
欧州における反移民感情の台頭
ビンラディン後のアルカイダとジハード主義
ベビー・ギャップ
――出生率を向上させる方法はあるのか
エルドアン・トルコ大統領との対話
香港と中国民主化の行方
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―― 経済成長を促す政治ファクターに目を向けよ
イギリスのEU脱退とスコットランドの分離・独立
「イスラム国」の次なるターゲット
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論争 ブラジル経済の将来
シリア内戦の現状を問う
―ポストアメリカ時代へ向かう中東
ロシアの戦略とウクライナ東部 ―― 流れは国家内国家へ
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