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日米同盟の古くて新しい試金石
――
 中国の脅威をいかに抑え込むか
8月号プレビュー


日米同盟の古くて新しい試金石
―― 中国の脅威をいかに抑え込むか

(2014年8月号)
ジェニファー・リンド/ダートマス大学准教授


「日本が管轄する地域を防衛する」とワシントンが表明するだけでは、日米が直面する戦略的中核問題には対処できない。中国はこれまで通り日本をいたぶり、挑発するためのサラミ戦術を続行できる。ワシントンでは中国による日本の領空や領海の侵犯は厄介な行動とみなされている程度だが、東京では主権の侵害として深刻に受け止められている。このために、「アメリカはいざというときに守ってくれないかもしれない」という懸念が払拭されず、日米同盟は揺らいでいる。重要なのは、同盟関係を強化する一方で、同盟の分断を試みる中国の試みを押し返すことだ。そのためには、重要な利益とそうでない利益を区別する必要がある。尖閣をめぐる重要な利益とそうでない利益をいかに切り分けるか。そのヒントは冷戦期のベルリン危機へのケネディ政権の対応に求めることができる。・・・・

中国の人工島造成戦略の意図は何か
―― 北京の戦略と南シナ海の混乱

(2014年8月号)
アンドリュー・エリクソン/米海軍大学准教授
オースチン・ストレンジ/ハーバード大学博士課程


中国はスプラトリー(南沙)諸島にあるかつては海水に隠れていたジョンソン南礁を、周辺から掘り出した海底の堆積物で埋め立て、人工島を誕生させている。他の礁や砂州でも同様の埋め立てを試みており、ファイアリー・クロス礁は言うまでもなく、クアテロン礁、ガベン礁、ジョンソン北礁でもすでに何らかの建造物の存在が確認されている。なぜ、中国はこのようなことをしているのか。自国の沿岸、あるいは島から200海里を排他的経済水域(EEZ)と規定する国際法で、自国の領有権の主張を強化するためだと考える専門家もいる。しかし、より重要なのは、アイランドビルディング(人工島造成)戦略によって、永続的なインフラを誕生させれば、軍事ネットワークを築き、スプラトリー諸島への領有権対立に対抗する戦略を多角化できるようになることだろう。いまや南シナ海の混乱のなかで新たな現実が急速に形作られつつある。

東シナ海における中国の現状変革路線
―― 同盟関係とアメリカの立場

(2014年1月号)
マイケル・グリーン/戦略国際問題研究所アジア担当上席副会長

中国は地域的現状を少しずつ変革し、東シナ海と南シナ海におけるより大きな影響圏を確立しようと試みている。(日本の尖閣諸島の国有化が緊張を高めたと中国側は主張しているが)尖閣問題を棚上げするとした了解を何度も破って、日本に危機感を抱かせたのは中国の方だ。両国の路線の大きな違いは、尖閣諸島を施政下に置く日本が現状を維持しようと試みているのに対して、中国は強制的圧力を行使して、現状を変革しようと試みていることだ。すでに中国は、フィリピンのスカボロー礁を、強制力を通じて事実上管理下においている。専門家の多くは、中国は同じ戦略を日本に対してもゆっくりと行使するつもりだと考えている。・・・オバマ政権は状況に対するアメリカの決意と同盟国を安心させる秩序だったメッセージを今後も表明していくべきだし、そのためにも、北京の戦略的意図を的確に分析しなければならない。

Photo/Coutesy Reuters

ワシントンでは中国による日本の領空や領海の侵犯は厄介な行動とみなされている程度だが、東京では主権の侵害として深刻に受け止められている。このために、「アメリカはいざというときに守ってくれないかもしれない」という懸念が払拭されず、日米同盟は揺らいでいる。重要なのは、同盟関係を強化する一方で、同盟の分断を試みる中国の試みを押し返すことだ。そのためには、重要な利益とそうでない利益を区別する必要がある。(リンド)

中国はスプラトリー(南沙)諸島にあるかつては海水に隠れていたジョンソン南礁を、周辺から掘り出した海底の堆積物で埋め立て、人工島を誕生させている。・・なぜ、中国はこのようなことをしているのか。・・アイランドビルディング(人工島造成)戦略によって、永続的なインフラを誕生させれば、軍事ネットワークを築き、スプラトリー諸島への領有権対立に対抗する戦略を多角化できるようになることだろう。(エリクソン、ストレンジ)



最新号8月号から

 



 

 

 

ロシアとの新冷戦を管理するには
ロバート・レグボルド

20世紀の冷戦と現在の危機はその規模と奥行きにおいて大きく違っているが、それでも現在のロシアとの関係破綻を新冷戦と呼んでもおかしくはない。ウクライナ危機がどのような結末に終わるとしても、ロシアと欧米の関係はかつての状態に戻ることはあり得ない。これが目にある現実だ。



 

 

 

 

不満と反発が規定する世界
マイケル・マザー
不満や反発が中国社会に充満していることは、メディアの報道や大衆文化、さらには教科書の記述やラディカルなネチズンによる過激な書き込みからも明らかだ。さらに日本やインド、そして西ヨーロッパでもナショナリズムが台頭している・・・


 

 

 

 

なぜ国は分裂するのか
―― 国境線と民族分布の不均衡
ベンジャミン・ミラー
「戦争か平和か」が問われる事態となると、民族集団は、国内のライバル集団よりも、他国における宗教・民族的な同胞と共闘しようとする。ウクライナ市民の多くは、自分たちにとって「異質なロシア」の支配から独立することを望んでいるが、一方でクリミアやウクライナ東部に暮らす人々は、(欧米志向の)「異質なウクライナ」による支配からの解放を望み、ロシアの一部となるか、ロシアと深く結びついた国を作る必要があると考えている。


 

 

 

 

ガザ侵攻とイスラエルの戦略的敗北
―― ハマスはすでに勝利を手にしている
アリエル・イラン・ロス

ハマスとイスラエルの紛争がいつどのような形で決着しようと、イスラエルが戦術的な勝利を収めること、そして戦略的に敗北を喫することはすでに明らかだ。イスラエル側は、「今回の紛争の終結時に有利な政治状況は作り出せないかもしれないが、少なくともハマスが戦略目的を達成することはない」と考えているようだ。
 




Agenda and Current Issues
2014.07.25更新

 

 

Focal Points(過去のトップページ特集)

イギリスのEU脱退とスコットランド独立の行方
―― イギリスの暑い夏

ウクライナ危機と新冷戦、解体する国と秩序
東アジアの領有権論争
中国の人工島造成戦略の意図は何か
―― 北京の戦略と南シナ海の混乱
最新の経済論文から
アベノミクス、デジタル経済、日本経済のリスク
撃墜事件が明らかにしたロシア軍介入の実態
―― 流れは新冷戦へ
ウクライナ東部で何が起きているのか
―― ロシアの思惑と欧米の立場
ビッグデータの恩恵とプライバシー侵害の間
―― オンライン個人情報と「忘れられる権利」
北朝鮮の崩壊
―― 2つの見方

以前のFocal Pointsはこちらから>>

最新号のご案内

【お詫びと訂正】 
「フォーリン・アフェアーズ・リポート2014年7月号」におきまして誤植がございました。お詫び申し上げ、以下の通り訂正いたします。(2014年7月11日)
● p.22 ロバート・ゲーツ「ロシア、中国と新しい外交課題」本文内

(誤)「習近平首相は明らかに指揮系統を把握している。」

(正)「習近平国家主席は明らかに指揮系統を把握している。」

 

欧米の偽善とロシアの立場
― ユーラシア連合と思想の衝突

 
アレクサンドル・ルーキン
ロシア、中国と新しい外交課題
 
ロバート・ゲーツ
米中露・新戦略トライアングルで何が変わるか
  デビッド・ゴードン
ジョーダン・シュナイダー
イラクと中東の宗派間紛争
―― イラク分裂の意味合い
  スティーブン・ビドル
マックス・ブート
ミーガン・オサリバン
イラク・シリア問題にどう対処するか
―― 分割による連邦国家化を
  レスリー・ゲルブ
デジタル経済が経済・社会構造を変える
―― オートメーション化が導く「べき乗則の世界」
  エリック・ブラインジョルフソン
アンドリュー・マカフィー
マイケル・スペンス
アベノミクスの黄昏
―― スローガンに終わった構造改革
  リチャード・カッツ
 
他全14本掲載
ロシアと民間航空機撃墜事件
EU脱退という愚かで危険な火遊び ―― キャメロン英首相の危険なゲーム
イギリスがEUから脱退すれば ―― ヨーロッパもイギリスも敗者となる
イギリスの暑い夏 ――イギリスのEU脱退とスコットランド独立
ガザ侵攻とイスラエルの戦略的敗北 ―― ハマスはすでに勝利を手にしている
ウクライナにおけるロシアの戦争 ―― 撃墜事件が明らかにしたロシアの軍事介入
NSAの無節操なスパイ活動 ―― 安全保障とプライバシー保護の間
追い込まれた金正恩 ―― 出口のない窮状
流れは独ロが規定する新ヨーロッパへ ―― ウクライナ危機と独ロの特別な関係
「変われない日本」の変化を読む―― ナナロク世代と改革のポテンシャル
北朝鮮の不安定化と米中関係――「北朝鮮後」に向けた米中事前協議を
ヨーロッパの文化的ジレンマ
―― 欧州と大中東の関係をどう規定するのか

 

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