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シェールガスが塗り替える世界の地政学地図

シェールガスが塗り替える世界の地政学地図
(2013年2月号)
アビエザー・タッカー/テキサス大学オースチン校

非在来型(シェールガス)資源の発見によって世界のエネルギー供給は大きく拡大し、近い将来に、供給が需要を上回るようになる。どうみても、世界のエネルギー価格は今後低下していく。すでに、アメリカの天然ガス価格は、2008年当時と比べて4分の1へと低下し、これが世界的な波及効果を持ち始めている。新技術が可能にしたシェールガス資源の開発によって、いまや経済・貿易領域での国家間の力関係も、エネルギーをめぐる地政学も変化の時を迎えている。これまでよりもはるかに安いエネルギー価格で規定される新しい世界では、石油や天然ガス資源が地政学秩序に与える影響も低下していく。すでにエネルギー供給国・ロシアと消費地域であるヨーロッパの関係は変化しつつあり、ロシアと中国の関係も今後変化していくだろう。この地政学環境の変化によって、資源の富に依存してきた独裁者の命運もいずれ尽きることになるかもしれない。

シェール資源の地政学的衝撃を
(2014年4月号)
ロバート・ブラックウィル/米外交問題評議会シニアフェロー
ミーガン・L・オサリバン/ハーバード大学ケネディスクール教授

シェール革命によって、世界のエネルギー生産の中枢はユーラシア(ロシア)や中東から他の地域へとシフトし始めている。このグローバル規模での生産と供給のシフトは何を引き起こすか。おそらくエネルギー価格を大きく引き下げる。エネルギー輸出に歳入の多くを依存するロシアと中東産油国は、エネルギー価格の低下によって苦しい財政状況に追い込まれ、政治的安定が揺るがされるかもしれない。一方、供給の拡大と多角化によって世界のエネルギー輸入国は大きな恩恵を手にする。日本や韓国のような東アジアの同盟諸国は、北米からより多くのエネルギー資源を直接輸入し、安定した供給を確保し、エネルギー安全保障を確立するだろう。アメリカの新たなエネルギー資源を、非友好的なエネルギー供給国によって同盟国やパートナーがいたぶられるのを阻止するために用いることもできる。今後、グローバルなエネルギーの流れは大きく変化し、経済関係だけでなく、地政学環境も変化していく。・・・

ウクライナ危機とパイプライン
―― ヨーロッパの本当のエネルギーリスクとは
(2014年4月号)
ブレンダ・シャッファー/ジョージタウン大学客員研究員)

ウクライナ危機を前にしたヨーロッパ人の脳裏をよぎったのは、2009年の天然ガス供給の混乱だった。この年、ロシアがウクライナへの天然ガスの供給を停止したために、ヨーロッパ諸国への供給も混乱し、真冬に暖をとれない事態に陥った。すでにウクライナ危機からヨーロッパを守るために、アメリカからの液化天然ガス(LNG)輸出を急ぐべきだという声も耳にする。たしかに、短期的に供給が混乱する危険もあるが、長期的にみてより厄介なのは、ハブプライシングシステムの導入など、ヨーロッパのエネルギー政策が方向を違えており、しかも(天然ガス価格が高いために)石炭の消費が拡大していることだ。仮にアメリカからLNGを輸出しても、その価格は、ロシアの天然ガス価格の少なくとも2倍になる。ワシントンは、ヨーロッパへLNGを供給することの利益が明確になるまで、拙速にエネルギー輸出の決定を下すのは自重すべきだろう。

世界のシェールガス資源の分布図 米エネルギー情報局より
世界のシェールガス資源の分布 米エネルギー情報局(EIA)(A・ペイ)

関連論文



依然として重要なサウジの石油
ジョン・スファキアナキス
アメリカのシェール資源ブームは世界最大の産油国サウジアラビアにとって厄介な事態だと考える人もいる。だがこれは、リヤドにとってもグッドニュースなのだ。市場の先行き不透明感をひどく嫌がるリヤドにとって、シェール資源を含む多様なエネルギー生産が進めば、市場の不透明感と急激な変動を抑えることにつながるからだ。・・・・


「天然ガス革命」の到来
―― 天然ガス・グローバル市場の誕生は近い
ジョン・ダッチ
水平抗井や水圧破砕という二つの技術進化によって、これまで開発が難しかった世界のシェールガス資源の開発・生産効率が劇的に改善し、その生産コストも大きく低下している。シェールガスという安価な非在来型天然ガス資源の開発が急ピッチで進められているのは、こうした理由からだ。・・・・


2年後、アメリカはサウジを抜いて、世界最大の産油国になる
――世界エネルギーアウトルック
ファティ・ビロル
ヨーロッパの天然ガス価格はアメリカの5倍も高く、アジアの価格はアメリカの8倍にも達する。わずか5年前には、これらの地域の天然ガス価格はほぼ同じ水準にあった。だが、5年間でこれだけの価格差が生じてしまった。価格が高いことが、天然ガスの市場シェアの拡大に歯止めをかけている。・・・・


4月号掲載論文から



プーチンとユーラシア主義
アレクサンダー・モティル


ウクライナ危機とパイプライン
―― ヨーロッパの本当のエネルギーリスクとは
ブレンダ・シャッファー


スノーデン時代の国家機密
―― 機密情報のリークは正当化されるか?
ジャック・シェーファー


モバイルファイナンス革命
―― 携帯電話と経済開発
ジェイク・ケンドール
ロジャー・ブーリーズ


4月のSubscribers Only公開論文



台湾のフィンランド化を受け入れよ
ブルース・ジリー
2014年3月号の要旨はこちら>>



Agenda and Current Issues
2014.04.5更新

Focal Points(過去のトップページ特集)

中国は欧米秩序を拒絶する
――対中リアリスト路線しか道はない?
主要経済指標という幻
―― ビッグデータ時代の経済指標を
ウクライナ危機を検証する
―― 危機はウクライナとロシアをどう変えていくか
シェールガスで変化する地政学
――今後の世界政治を左右する新資源
スノーデン時代の国家機密
―― 機密情報のリークは正当化されるか?

主要経済指標という幻
――ビッグデータ時代の経済指標を

中国との対立と緊張が避けられない理由 
―拡大するパワー、統治危機とナショナリズム
パンドラの箱を開けたプーチン

以前のFocal Pointsはこちらから>>

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シェール革命の地政学的衝撃

 
ロバート・ブラックウィル/米外交問題評議会シニアフェロー
ミーガン・L・オサリバン/ハーバード大学ケネディスクール教授
主要経済指標という幻
―― ビッグデータ時代の経済指標を
 
ザチャリー・カラベル/リバートゥワイス・リサーチ会長
ユーラシア主義か、栄誉ある小さな戦争か
―― 三つのシナリオとプーチンの選択
  アレクサンダー・モティル/ラトガース大学教授
ヨーロッパかロシアか、それが問題だ
―― ウクライナのナショナリズム
  オーランド・フィゲス/アロンドン大学バークベックカレッジ教授
                            (歴史学)
クリミアとロシアのアイデンティティ
―― ロシアはクリミアを手放さない
  スーザン・リチャーズ/「オープンデモクラシーロシア」エディター
ウクライナ危機と独ロの特別な関係
  ミッチェル・A・オレンシュタイン/ノースイースタン大学教授
                           (政治学)
 
他全14本掲載
ロシアの資源ツールの強さは揺るがない――アメリカの輸出で代替できない理由
ウクライナ危機の外交・経済・軍事的衝撃を検証する
クリミアは手始めにすぎない――プーチンが欧米世界に突きつけた果たし状
経済相互依存で日中紛争を抑え込めるか ―― ナショナリズムかそれとも貿易か
中国の労働者はどこへ消えた ―― 経済成長至上主義の終わり
イスラエルがイラン強硬策を放棄しない理由 ―― 外交交渉と空爆オプションの効果とリスク
タイの最終局面とは ―― 軍と民衆の事実上のクーデター?
今後、M・ホドルコフスキーはどう動くか―― ロシア政治と元オリガーク
中国のADIZ設定問題を棚上げせよ
――中国の誤算と日米韓の対応
2014年のグローバル経済

 

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