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北朝鮮の崩壊
――そのリスクと恩恵をどう捉えるか

北朝鮮の崩壊を恐れるな
―― リスクを上回る半島統一の恩恵に目を向けよ

(2014年7月号)
スー・ミ・テリー/元米中央情報局(CIA)上席分析官


朝鮮半島の統一が韓国を経済的・社会的に押しつぶすわけでも、アメリカ、中国、日本に受け入れがたいリスクを作り出すわけでもない。たしかに、朝鮮半島の統一はドイツ統一以上にコストがかかり、多くの課題を伴うだろう。例えば、北の崩壊シナリオとしてもっとも現実味があるのは北朝鮮が内破し、体制が崩れていくことで、この場合、核兵器の安全な管理をいかに確保し、人道的悲劇を回避して大規模な難民が発生しないようにすることが大きな課題となる。だからといって、半島の統一を回避すべきだと考えるのは間違っている。崩壊を経た半島統一の最大の恩恵は、北東アジアにおける主要な不安定化要因が消失することだが、特に韓国は大きな経済的恩恵を手にできる。これまで各国は、平壌が挑発的行動を前にしても、北朝鮮を不安定化させることを懸念して、経済制裁の強化や、対抗策をとることを躊躇ってきたが、今後はそのような配慮をすべきではない。統一の恩恵はリスクやコストを遙かに上回るのだから。


 崩壊か経済改革か
―― 北朝鮮は経済改革を模索している

(2013年8月号)
ジョン・デルーリー/
延世大学国際関係大学院准教授

北朝鮮は2030年までに崩壊すると予測する専門家もいるが、平壌はすでに中国流の経済改革導入への道を歩みつつあるとみなすこともできる。これを理解するには、中国はどのような手順で改革へと歩を進めたかを考える必要がある。1960年代に核兵器を獲得した北京は、1970年代に対米デタントによって体制の安定と安全を確保した上で、経済改革路線を優先させるようになった。つまり、今日の北朝鮮は1970年の中国同様に、経済改革に着手する前に、まずワシントンから体制の安全に関する保証を取り付けたいと考えている段階にある。金正恩は「経済建設」の次の局面に進みたいと考えていると示唆し、4月1日には実務派テクノクラートの朴奉珠を首相に登用して、経済成長の舵取りを委ねている。朴奉珠が北朝鮮の首相に抜擢されたこと自体、金正恩が経済を重視し、改革志向を持っていることの現れとみなせる。平壌の穏健派に力を与えるためにも、アメリカは強硬策ではなく、北朝鮮の安全を保証し、経済改革にむけた環境整備に手を貸すべきだ。体制を揺さぶり、崩壊を待つ路線を続ければ、偶発事件によって次なる朝鮮戦争が誘発される恐れがある。


「北朝鮮後」に向けた米中事前協議を
―― 北朝鮮の不安定化と米中関係

(2011年11月号)
スコット・A・スナイダー/米外交問題評議会シニア・フェロー

政府や党の重要ポストが金正恩の側近たちで固められていくにつれて、いつもなら死ぬまでポストに留まるはずの有力者たちが次々と姿を消すか、事故で死亡するか、解任されている。状況は非常に流動的だ。北朝鮮の指導層は国内における一つの危機なら、管理できるかもしれないが、複数の事件が同時多発的に起きれば状況を制御できなくなる。国内が不安定化した場合、北朝鮮指導層は、外部からの援助を引き出すためか、あるいは、国内的な政治管理体制を強化するために、対外的軍事行動に打って出る可能性があるし、各派閥が外部アクターの介入を求める可能性もある。しかも北朝鮮に対する米中の立場が食い違ってきていることは、2010年のチョンアン号事件、ヨンピョン島事件以降、ますますはっきりとしてきている。それだけに、米中は、自国がどのような朝鮮半島を望ましいと思うかについて、事前に了解をとりつけておくべきだ。また、将来の朝鮮半島をめぐる本当の安全保障ジレンマは日中間に存在し、これは、朝鮮半島に関する将来の決定に日本の立場をうまく反映させる必要があることを意味する。


Photo/Courtesy Reuters

崩壊を経た半島統一の最大の恩恵は、北東アジアにおける主要な不安定化要因が消失することだが、特に韓国は大きな経済的恩恵を手にできる。これまで各国は、平壌が挑発的行動を前にしても、北朝鮮を不安定化させることを懸念して、経済制裁の強化や、対抗策をとることを躊躇ってきたが、今後はそのような配慮をすべきではない。統一の恩恵はリスクやコストを遙かに上回るのだから。 ・・・(テリー)

平壌の穏健派に力を与えるためにも、アメリカは強硬策ではなく、北朝鮮の安全を保証し、経済改革にむけた環境整備に手を貸すべきだ。体制を揺さぶり、崩壊を待つ路線を続ければ、偶発事件によって次なる朝鮮戦争が誘発される恐れがある。(デルーリー)



最新号10月号より


 










感染拡大を防ぐには隔離しかない

ローリー・ギャレット

これまで感染拡大は地方での現象だったが、いまや都市部での感染が拡大している。さまざまな環境で人から人への感染が起きており、非常に深刻な局面を迎えている。感染者を隔離しない限り、感染拡大は阻止できない。・・・ワクチンがあと1−3年で開発されるかもしれないが、おそらく医薬品で感染拡大を阻止するのは難しいだろう。













エボラ感染者を救うには
―― アメリカの対応は間違っている

キム・イ・ディオン

西アフリカのエボラ出血熱の感染拡大によって、感染者をケアしていた医師、看護婦その他の医療関係者を含む2800人以上がすでに犠牲になっている。しかも、感染率は劇的に上昇しており、状況が管理されるまでにはさらに多くの人々が犠牲になると考えられる。一方、エボラウイルスに感染したアメリカ人を担当した主治医たちは、注意深い観察、失われた水分とミネラルの投与を含む「積極的な支持療法」が回復の決め手だったと考えている。









 

 

イスラム国を検証する
―― ルーツ、財源、アルカイダとの関係
ザカリー・ローブ
ジョナサン・マスターズ

2013年4月イスラム国は、ヌスラ戦線との統合を宣言した。しかし、ビンラディンの後継者として「コア・アルカイダ」を率いるザワヒリは、この統合を認めず、「バグダディのイスラム国の活動はイラク国内に限定する」と表明した。だがバグダディはザワヒリの決定を受け入れることを拒絶する。2013年後半、それまでライバル関係にあったシリア内の他のスンニ派武装集団はムジャヒディーン軍として連帯し、イスラム国に対して「シリアでの支配地域は自分たちに委ねて、シリアから撤退するように」と迫った。




Agenda and Current Issues
2014.10.05更新

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イスラム国はなぜ拡大・
膨張し続けるのか
―― ハイジャックされたアルカイダの
イスラム国家構想
漂流するヨーロッパ
トルコ政府のジレンマ
―― イスラム国と軍とクルド人問題
イスラム国を検証する、
問われるヨーロッパの自画像、他
(最新号10月号より)
少子高齢化と社会保障の危機
−脅かされる社会契約と資本主義
 
シリア国境地帯の混乱と
トルコのジレンマ
(10月号プレビュー)
 
問われるヨーロッパの自画像
――欧州における反移民感情の台頭
 
香港デモと北京コンセンサスの終わり
―― 高まる民衆の不満と
;北京の対応
 

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イスラム国と中東の未来

 
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空爆を支える外交戦略とは
 
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―― 生活レベルの停滞と国家アイデンティティ危機
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「イスラム国」を検証する
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―― 崩壊か経済改革か
欧州における反移民感情の台頭
ビンラディン後のアルカイダとジハード主義
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――出生率を向上させる方法はあるのか
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