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中国の新シルクロード構想、AIIBを恐れるな、
TPPの早期決着は難しい
(6月号プレビュー)

中国の新シルクロード構想
―― 現実的な構想か見果てぬ夢か

(2015年6月号)
ジェイコブ・ストークス / ニュー・アメリカンセキュリティ研究所フェロー

シルクロード構想は、アメリカのアジア・リバランシング戦略への対抗策として考案された。陸と海の新シルクロードに沿って巨大な経済圏を形成しようとする、一帯一路とも呼ばれるこの構想は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)による資金的裏付けをもち、中国の政治・経済エリートにも支持されている。相手国のインフラ整備を助けるだけでなく、中国(の国有企業)が抱え込んでいる過剰生産能力のはけ口としての外国市場を切り開き、人民元の国際的役割を強化できる可能性もある。いずれ、中国が主要な役割を担う非欧米型国際ネットワークの構築という北京の野望を実現する助けになるかもしれない。しかし、この構想は、ロシアのユーラシア経済連合、インドの対外構想と直接的に衝突するし、結局は、アフリカや中東での紛争に引きずり込まれ、中国のパワーを時期尚早に広く薄く拡散させることになるだろう。・・・



AIIBを恐れるな
―― 米日がAIIBに参加すべき理由

(2015年6月号)
フィリップ・Y・リプシー / スタンフォード大学助教授

欧米は、経済的・地政学的に台頭する中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)を立ち上げた意図を疑い、既存の国際的金融機関の役割を切り崩そうとしているのではないかと懸念している。たしかに、アメリカが世界銀行を通じて、日本がアジア開発銀行(ADB)を通じて優位を手にしてきたのと同様に、AIIBは中国に優位を与えることになるだろう。だが、多国間開発銀行で主導権をもつことは大国の証のようなものだ。重要なポイントは、「多国間開発銀行の設立か、あるいは空母の調達のいずれかで、中国が影響力と国際的な名声を確立しようと試みるとして、どちらの道筋が好ましい」とわれわれが考えるかにある。米日がAIIB構想に参加すればより大きな利益を確保できるし、AIIBの今後のコースに影響を与えることもできるだろう。


TPP交渉の早期決着は難しい
―― 妥結を阻む構造的障害

(2015年6月号)
リチャード・カッツ / オリエンタル・エコノミック・アラート代表

TPP交渉は、「経済的には取るに足らぬものの政治的に重要な案件」をめぐって日米が長期間にわたって論争を続けているために停滞している。牛肉や豚肉に関する日本の(輸入障壁、日本製自動車部品輸入に対するアメリカの関税撤廃までの時間枠が依然として争点とされている。そしてTPP交渉に参加している他の10カ国は、日米が合意に達しないことを理由に、数多くの案件の妥結を先送りしている。しかも、米議会が交渉進展の鍵を握る「大統領貿易促進権限(TPA)」をスムーズに承認するとも思えない。もはやホワイトハウスは、2015年中にTPPを批准に持ち込むという現在の路線を見直すべきだろう。TPPは今後長期的に貿易ルールの規範とされていくのだから、ワシントンは早い段階で合意を決着させることにこだわるよりも、むしろ、合意案をさらに洗練していくことを重視すべきだろう。





シルクロード構想は、アメリカのアジア・リバランシング戦略への対抗策として考案された。陸と海の新シルクロードに沿って巨大な経済圏を形成しようとする、一帯一路とも呼ばれるこの構想は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)による資金的裏付けをもち、中国の政治・経済エリートにも支持されている。しかし、この構想は、ロシアのユーラシア経済連合、インドの対外構想と直接的に衝突するし、結局は、アフリカや中東での紛争に引きずり込まれ、中国のパワーを時期尚早に広く薄く拡散させることになるだろう。・・・(ストークス)

たしかに、アメリカが世界銀行を通じて、日本がアジア開発銀行(ADB)を通じて優位を手にしてきたのと同様に、AIIBは中国に優位を与えることになるだろう。だが、多国間開発銀行で主導権をもつことは大国の証のようなものだ。重要なポイントは、「多国間開発銀行の設立か、あるいは空母の調達のいずれかで、中国が影響力と国際的な名声を確立しようと試みるとして、どちらの道筋が好ましい」とわれわれが考えるかにある。(リプシー)

TPP交渉は、「経済的には取るに足らぬものの政治的に重要な案件」をめぐって日米が長期間にわたって論争を続けているために停滞している。そしてTPP交渉に参加している他の10カ国は、日米が合意に達しないことを理由に、数多くの案件の妥結を先送りしている。・・・TPPは今後長期的に貿易ルールの規範とされていくのだから、ワシントンは早い段階で合意を決着させることにこだわるよりも、むしろ、合意案をさらに洗練していくことを重視すべきだろう。(カッツ)



6月号プレビュー










中国の夢と現実
―― 習近平時代の中国の夢と民衆の思い

ペリー・リンク

民主主義という近代的なラベルを取り入れつつも、中国は伝統的な権威主義モデルを維持しようと試みた。だが、この矛盾がいまや大きなきしみ音をたてている。それでも、習近平は伝統的な政治道徳モデルを復活させようとしている。事実、彼の言う「中国の夢」は富や国家的プライドだけでなく、権威への服従を強調している。・・・・・・

 









日本の新しいエネルギーミックス
―― 原子力とソーラーを組み合わせよ

バラン・シバラム

「原子力かソーラーか」ではなく、この二つを組み合わせれば、2020年までに日本は化石燃料輸入を3分の1減らすことができるし、電力需要の3分の1を満たせるようになる。日本は、安全性に配慮しながら原子力による電力生産を強化するとともに、ソーラーエネルギーを育んでいく長期的なエネルギービジョンを示すべきだろう。










ギリシャ危機と中国発世界不況
ーー世界経済アップデート
ルイス・アレクサンダー 、 ピーター・フィッシャー、他

グローバルな「ローフレーション」を前に世界では2014年12月以降、30を超える国の中央銀行が量的緩和、金融緩和、あるいは為替介入を試みている。結局、この状況ではアメリカ経済はドル高という重荷を引き受けざるを得ない。アメリカ経済のインフレ率もそう高くないが、ドル高をある程度容認せざるを得ない環境にある。(E・ゼントナー)





Focal Points(過去のトップページ特集)

プーチンシステムの崩壊?
―― 財政難のなかの反欧米路線は
何を引き起こすか
(6月号プレビュー)
日本の新しいエネルギーミックス
―― 原子力とソーラーを組み合わせよ
(6月号プレビュー)
最終局面を迎えたギリシャ危機に
対する二つの見方
(6月号プレビュー)
このままでは中国経済は
債務に押し潰される、他
(5月号より)
テクノロジーが変えた世界
―― GPSとビッグデータ
なぜアメリカの教育は失敗したか
――  米エリート大学の
嘆かわしい現実
実用化に近づいたソーラー、
蓄電技術の進化
――日本の新しいエネルギーミックス
を考える
プーチンの北東アジア戦略
――  中国の台頭で変化した
日露関係

以前のFocal Pointsはこちらから>>

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ユーラシアで進行する露欧中の戦略地政学
―― 突き崩されたヨーロッパモデルの優位

 
アイバン・クラステフ、 マーク・レナード
中国という砂上の楼閣
―― 改革時代の終わり
 
ヨーウエイ(匿名)
このままでは中国経済は債務に押し潰される
―― 地方政府と国有企業の巨大債務
  シブ・チェン
米エリート大学の嘆かわしい現実
―― 失われた人間教育と格差の拡大
  ジョージ・シアラバ
実用化に近づいたソーラーパワー
―― なぜソーラーは安く実用的になったか
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日中軍事衝突のリアリティ
―― 日中危機管理システムの確立を急げ
  アダム・P・リッフ、 アンドリュー・S・エリクソン
<CFR Meeting>
敵はイランかイスラム国か
――問題解決の鍵を握るスンニ派部族
  マックス・ブート、 オードリー・クルト・クローニン、他
アジアインフラ投資銀行
―― 国際経済秩序への挑戦か協調か
  ロバート・カーン
 
他全14本掲載
ギリシャを搾取したオリガークたち
なぜアメリカの教育は失敗したか
―― 諸外国の成功例に学ぶ
蓄電技術の進化が
電力供給と経済を変える
対ロ経済制裁と日本のジレンマ
中国とロシアによる反欧米同盟
―― 中ロを結びつける六つの要因
内戦への道を歩むイエメン
――シーア派系フーシ派の目的は何か
中国の新シルクロード構想
―― 現実的な構想か見果てぬ夢か
中国経済はなぜ失速したか
―― 新常態を説明する二つの要因
WTOと地域貿易構想
―― TPPとTTIPの可能性
貿易の戦略的ロジック

すべての道は北京に通ず
プーチン・システムの黄昏
アジアインフラ投資銀行の挑戦
――国際経済秩序への挑戦、それとも協調
レバノン化する中東
―― 重なり合う宗派主義と
地政学の脅威
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