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無謀な中国と無分別なアメリカの間
―― トランプ時代のオーストラリア外交を考える

マイケル・フリラブ ローウィ研究所 エグゼクティブ・ディレクター

Down and Out Down Under: Australia's Uneasy American Alliance

Michael Fullilove オーストラリアの外交政策分析者。外交シンクタンク、ローウィ研究所のエグゼクティブ・ディレクター。著書にRendezvous with Destiny: How Franklin D. Roosevelt and Five Extraordinary Men Took America into the War and into the World. (Penguin, 2013)などがある。

2017年10月号掲載論文

ドナルド・トランプにはプラスサム志向が乏しい。グローバル秩序の頂点にあることでもたらされる優位の価値を忘れ、同盟関係の価値も疑っている。この状況下、オーストラリアにとっての本当の課題とはグローバルゲームの観客になるか、プレイヤーになるかを決めることだ。米大統領に焦点を合わせるのでなく、ワシントンの他のプレイヤーとも連携することで、古くからの同盟国であるアメリカと可能な限り緊密に協力する一方で、アジアとのつながりを深めていく必要がある。利益が重なるときには中国と協力し、一方で、日本、韓国を含むアジアの民主国家との絆を大きくしていかなければならない。似たような考えを共有するアジア諸国との協調を強化していくことは、無謀な中国と無分別なアメリカに対する重要な保険策となる。

  • 衝撃とチャンス
  • オーストラリア人とトランプ
  • すぐれた組み合わせ?
  • 中国をどうみなすか
  • アジアの漂流
  • 破壊のときに立ち合って
  • オーストラリアの選択

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